2018-01-12 Fri
1/10の埼玉を皮切りに1都3県の中学入試(一般入試)がスタートしましたが、出願ベースでの印象は危惧した通り低調、という印象です。
出願者数で判断するのは早計という意見もあるでしょうが、
入試回数は常に増加傾向ですから、もしまずまず昨年並み、と
言えるとすれば、出願者数増の学校と減の学校は拮抗していてしかるべき
と思うわけです。
もちろん埼玉県の中学入試は県内生だけが受験しているわけではありませんから、
埼玉における中学受験熱が盛り上がっていないとは言い切れないわけですが、
やはり栄東への一極集中は好影響をもたらしていないと見ます。
こうした状況には思い当たる要因があります。
やはり歴史的に「中高一貫」が根づいていないことがあげられます。
東京・神奈川と比べてみても「中高一貫」が根づくには
長い時間がかかるわけですが、あくまでそれは受験する側の視点のはずです。
しかしながら埼玉の私立校の視点に立つと、あくまで中学入試は高校入試での
リスクヘッジのように見えます。ここ十年で中学募集を開始した学校は9校を
数えますが、人気を集めていると言える学校は思い当たりません。
延べ受験者数では開智未来(2011年募集開始)の14位が最高。
残念ながら17年入試では初年度受験者数を上回ることはできませんでした。
そのいっぽうで18年入試では一部の中堅校で特待入試や上位クラス入試だけ
出願者数が増えていますが、これらの学校、17年の入試結果では実質倍率が
2倍を切っているんですね。特待入試なのに受かりやすいので人気…。
学校にその気があるのなら、もう少し合格者を絞って、難易度を上げる戦略も
可能だと思うのですが、どうだったでしょうか。
まだその結果は把握していません。
さて18年入試もまだ始まったばかり。
全容が見えるのはまだ先のことでしょう。
まあ、志願動向をどう見るか、視点はさまざまあるでしょうが、
ことしの中学入試も
「前年並み」
とか
「○○だった」
とか簡単にくくるのは避けたいところですし、実際に
そんなわかりやすいシンプルな分析にはなりにくいと予想しています。
とりあえず埼玉入試で「勢いがつかない」と
千葉、そして東京・神奈川がどうなるか、という
スタートかな、といったところでしょうか。
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2018-01-10 Wed
やや思うところがあって、しばらく更新せずに埼玉の1/10午後入試の話題を最新のままにしておきました。
本日1/10から埼玉の中学入試がスタートしましたが、
出願ベースで見る限り、当初の懸念通りです。
まあ、その先の話は明日以降に。
すっかり遅くなってしまった新年第一弾は1/20スタートの千葉入試について。
千葉の私立中入試日程は、毎年大きな変更がなく、
上位校~中堅校は
1/20市川、専大松戸(1)
1/21東邦大東邦、麗澤(1)、国府台女子学院
1/22渋谷幕張、昭和学院秀英
1/23芝浦工大柏
1/25麗澤(2)
1/26専大松戸(2)
1/27芝浦工大柏(2)
という並びで午後入試を設定している学校も、
二松学舎大柏、聖徳大附属、千葉明徳などごくごくわずかだったのですが、
千葉御三家とも言える渋谷幕張、市川、東邦大東邦…
と接近したポジション(本ブログの進路実績・総合値集計では東邦大東邦よりも上位)
の昭和学院秀英が2018年入試から1/20pmに新日程を設定。
地理的に近い渋谷幕張との併願を意識したのか勝負をかけてきました。
東邦大東邦が高校募集を停止して、中高一貫色を強く打ち出したのに
呼応しての動きなのかもしれません。
というわけで昭和学院秀英の進路実績を中心に見てみます。


渋谷幕張・市川・東邦大東邦との比較はこちら↓
(千葉)進路実績チャート・サンプル比較・渋谷幕張編(2)
千葉5番手の芝浦工大柏のグラフはこんな感じで上位4校とははっきり差があります。


ちなみに参考までに専修大松戸、麗澤、国府台女子との進路実績チャート比較も
作ってみましたが、TOP100ランク外3校は総合値、国公立大ランク、
MARCH非依存の数値が似通ってしまい、残念ながらその差がわかりません。



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2017-12-31 Sun
「午後入試」がもっとも多く設定されているのは、東京・神奈川の入試解禁日の2/1ですが、
1月入試を実施する埼玉・千葉でもpmの文字が
年々目立つようになっています。
「他校との日程重複を避ける」としても、
入試日程はカレンダー以上はなく、しかも受験生心理でいえば、
早く受験して合否を早くはっきりさせたい、と来ています。
埼玉の中学入試解禁日の1/10も午後入試が年々増えてきました。
ざっと偏差値表で見ていくと、
星野学園(理数)、西武学園文理(特選特待)、城北埼玉(特待)、
城西川越(特待)、浦和実業学園(特待)、埼玉栄、昌平、
開智未来、西武台新座、東京農大第三、春日部共栄、大妻嵐山…
あらためて数えたことがなかったので、その多さにちょっと驚きました。
1/10午後入試ですから、1/10午前に第一志望校を設定している
受験生狙いなのでしょうが、1/10午前に入試を設定していて、
午後入試を行わない学校といえば、栄東、開智、大宮開成…
ほんのわずかです。
ということは、この3校、とりわけ1/10に最初の2校を受験する層を
ターゲットに午後入試を設定していることがわかります。
午後入試でも上位クラスとか特待などの付加価値のある合格をもらえれば、
誰でも悪い気持ちはしません。
おまけに同じ学校でも上位クラス入試、特待入試で高めの偏差値が設定されて
いれば、格好のお試し受験コースということも言えます。
ただこれらの学校の「募集作戦」がかなり露骨だな、
という印象を受けます。
確かに都内では午後入試で上位受験生を集めることをきっかけに進路実績を
伸ばしている学校もありますが、埼玉では同じパターンで成功しているケースは
見当たらないからです。
もし仮に1/10PM入試合格者のうち、わずかな入学者でもしっかり伸ばして、
大学合格実績につなげている、という事実があるのかもしれませんが、
あったとしてもそれは表面化しません。キタシロ的にはそれこそ、
中学受験時の偏差値が高いから、難関大学にも合格するという短絡では、
その学校が生徒を伸ばしているとはいえません。
一般クラス・普通クラスでも、一定以上の意欲のある生徒で結果が出てこない以上、
実は期待できないのでは?と思うからです。
2017年入試では前記の1/10午前入試校3校の実受験者数を100とすると、
リストアップした1/10午後入試校12校の合計受験者数は35前後。
そして1校を除いてすべて1倍台の低倍率入試。
除いた1校もスライド合格分を加えると1.4倍を切る数字。
もし仮に埼玉県内の中高一貫に進みたい、1日も早く入試を終えたい、
にしても、午後入試受験比率は案外高い気がします。
これはもしかしたら塾の誘導かもしれませんね。
まずは進路実績で健闘して、受験生の注目を集める、という手順が
いかに実現しがたいか、ということなのだと思います。
リストの12校の実際1/10午後入試に集めている人数を確認してみると
埼玉の私立中高一貫の低調も理解できる、そんな数字でした。
果たして2018年度入試はこの傾向が続くかどうか。
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