2015-10-14 Wed
自分が中学生として育った、昭和40年代後半、公立中の成績は「相対評価」でつけられていました。地元の北海道は5段階。5が7%、4が24%、3が38%、2が24%、1が7%だったでしょうか。
40人のクラスであれば、5や1は3人程度でしょう。体育で5が取れる見込みのない自分には「オール5」は非現実、でした。
その成績だと5なのか4なのか。まあクラス(だいたい40人台前半)でTOP5をキープすれば
確実に5には行くんでしょう。もうそれは感覚です。
偏差値には慣れ親しんだ記憶がありません。
地方出身者はそんなものです。
それでも自分の育った地域では公立高校入試ではどのように選抜されるか、しっかり中3生に説明されていました。
単なる調査書との合計点方式ではなく、最上位は学力検査Aランク×調査書Aランク、次位が
学力検査Aランク×調査書Bランクもしくは学力検査Bランク×調査書Aランク、
以降Bランク×Bランク、Aランク×Cランク、Cランク×Aランク…のマス目に応じて合格者が決定されていく仕組みでした。
(バランスが取れている受験生が同レベルでは優先)
学力検査は500点満点の25点刻み、調査書点は実技も含む9教科45点満点の1点刻みだったと思います。
つまり学力検査が408点ならDランク、調査書が40点ならEランク。D×Eの受験生は、
C×F(F×C)、B×G(G×B)、A×H(H×A)の受験生と同ランクでC×E(E×C)の受験生の上位に来ることはできないわけです。
この「選抜方法」というものは、公表・非公表にかかわらず、都道府県ごとに違う方式で定められていて、
それにさまざまな救済条件や、学校ごとの特色化などが加味されて、ブログなどでは説明できない非常に複雑なものになっています。
北海道方式はこれでもかなりシンプルな部類です。
偏差値の原理はそもそも模試などで毎回の問題難易度が一定でない状況で、
どれだけ正確に受験者のパフォーマンスを比較するか、という眼目のもとに編み出された手法ではないでしょうか。
それに、どういう母集団における偏差値なのか、の説明がなければ、まったく意味をなさないものです。
ちなみに本郷中学(2/1)は四谷大塚で57で、
本郷高校は(ネット上の出所不明の偏差値で)71だそうです。
でも同じ中学偏差値でも首都圏模試センターのものは64。
だって母集団が違いますから。
つまり会場模試の母集団を無視して全国ランキング、などを算出するのは無意味なわけです。
東京の偏差値62と北海道の62は同じではない。
そして全国規模の中学受験模試としてどの模試を基準にするかを考えた場合、適切なものが存在しない以上、
中学偏差値ランキングなどというものをありがたく評価すること自体、無知を宣言しているようなもの。
それでもそれを必要とする人がいるので、存在するんでしょうが。
編集長時代もよく営業スタッフに言ったものです。
「偏差値のデータが欲しいってどこの? 全国版なんかないよ」
するとスタッフは、
「厳密でなくていいんです。大まかなやつでいいですから」
そんな不正確なものを血道をあげて制作している側の心理背景を考える頭脳のない
人間は簡単に言うのです。
いずれにせよ、偏差値のランキング的な側面しか理解していないことから
さまざまな悲劇が始まります。
このくだりを書かずして偏差値の真実へは踏み込めません。
まずはとっかかりを先に書きました。

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