2015-10-13 Tue
公立中高一貫校が人気を集める県、集めない県の背景分析に使わさせていただいているダイヤモンド社のムック。全国47都道府県の高校勢力図を語るにはとりあえずMARCH実績は二の次、というスタンス。
もちろんスペースの問題もありますし、早慶上智ですら、西日本では人気がない、
というか、それなりの上位層が昔に比べて上京しない、
今の日本の進学傾向を裏付けているのかなあ、と思います。
確かに客観的な数値を示せないですが、東京の私大を卒業した自分としては、
クラスやサークルを通じて知り合った友人たちの出身校を見て、
全国から集まっているんだなあ、と感心したそういう時代があったんだという思いです。
MARCHクラスの学校が再び全国区の名声を確立したい、
その思いが各種広告戦略、特に箱根駅伝への注力、
青山学院の優勝に象徴されている、と思うんです。
おっと昨日の続きでした。
いまから5年ぐらい前、東京・神奈川の名だたる上位クラスの私立中高一貫校が揃って
MARCH実績を伸ばした時期がありました。国公立、早慶上智が伸びるならいざ知らず、
いまさらMARCHの数字が伸びるとは、どういうこと?と思ったものです。
実はこれらの学校は積極的な進学指導はせず、生徒まかせで、
国公立他難関大を受験する反動としてMARCH実績が伸びたものでした。
もっと丁寧に言うと、現役時代には理想の志望を貫き、夢破れ、一旦浪人すると、
もう後がないという思いから幅広い大学を受験する。
つまり、それらの学校のMARCH実績は浪人生がたたき出していたのです。
現役生時代はそれほどMARCHを受けない。
ですからMARCH実績は伸びても進学するわけじゃない。(合格しても進学率は10%台の学校も!)
その傾向も最近はすっかり収まってきました。
それは何を表しているのでしょうか?
現役でも志望校に合格する受験生が増加している、ということではないでしょうか。
そんな中で巣鴨の「合格学部不明」の正体は浪人生なのです。
受かっても行かないし、なのです。それと浪人生がその合格実態を学校に報告しない。
報告する必要がないと思っている現実。
浪人生が合格実態を報告する、しないの是非はまた別問題だと思いますが、
学校側が「本校の実力はもうちょっと上です」の思いがあるから、
合格学部不明でも数字を出しちゃうのです。
他の上位校ではMARCH合格実績の発表は控えめです。
浪人生が報告しなくてもその控えめの数字が公式発表。
実際、15年春の巣鴨の合格実績、明治、中央、法政で18名の学部不詳が公表されています。
青学、立教は学部別の数字は記載されていません。
巣鴨の難関大実績は2007~2012年の6年間でMARCH実績を5回更新、です。
2013~2015年の3年間では2014年に早慶上智の自己ベストが1回のみ。
国公立大に至っては2007年の自己ベスト以降、数字は伸び悩んでいます。
数字は嘘をつかないな、と思うわけです。
武蔵同様、巣鴨は私学の雄であると思います。
しかし、その目指すところが世間と合致しているか。
父親の目線ならいざ知らず、母親の目線での「強い男子に育てたい!」に
自分はとてもリスクを感じます。小6男子は普通ひ弱ですよ。
成長のピークはもっと先にあります。
15年春、過去10年で最低の受験者数620人を記録した巣鴨が伝統を活かしつつも、
現状を再認識し、再浮上することを切に願います。
(ブログの)カテゴリーは違いますが、中学受験を語る上で
男女比、男女差の問題もちょっと取り上げたほうがいいかもしれません。

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