2017-09-05 Tue
まあ世間一般には東京大学は日本でいちばん頭のいい大学ということになっています。
もちろん問題なのはこの「世間一般」ですけどね。
利害関係のない「世間一般」。
先日もテレ朝のQさま~高校生学力王決定を見ていたわけですが、
高2のうちから東大A判定とか、前年の決勝進出者の7割が
東大進学とか強調しまくりでした。
これで数字が取れるんでしょうね。
いま飛ぶ鳥を落とす勢いのカズレーザーを高校生が
乗り越えていく演出は「世間一般」にはわかりやすかったのでは
ないかと思います。
英語の早押し問題で、英語の和訳問題なら自信あり、と正解が
わかる前にボタンを押す高校生出演者もいました。
出演者の実力が拮抗していて、早押し勝負になっている場面も
しばしばありました。
まあクイズ番組なので問題の難易度と出演者の回答力の
バランスがとれていただけかもしれませんね。
そんな番組の流れの中でひとつ印象に残ったのは、
「○○で〇○とすれば、○○しかない(○○しか知らない)」
を連発していた出演者がいました。
知識がしっかり整理されていて、ヒントがひとつ進むごとに正解候補を
しぼっていく過程がよくわかりました。
いわゆる理社の暗記科目は一度関連づけられて記憶されると、
その後何十年も一度も取りだされなくとも脳のヒダに残っている
ものです。世界史の人名などが好例です。
もちろんこうして知識が豊富であれば、東大に合格できるという
ものではありません。
いかに条件に応じて絞り込むかだけでなく、組み合わせて表現する
力を問われます。もちろん相手に応じて場面に応じて、ということです。
さて、中学受験の際の学校選びは、高校受験よりも志望校の東大合格者数を
気にするような気がします。
受験するのが「世間一般」ならそれもわかります。
いまだに学校関係者(在校生の保護者?)の
「ことしは東大合格者も出たし、実績は好調」という論調を
見かけるたびに違和感を感じます。
書いている本人は何はともあれ「世間一般」なのかもしれませんね。
このブログのように学年規模に対して、難関大合格者数の比率を論じるスタイルは
非「世間一般」そのものかな、と思ったりもします。
もし、毎年東大合格者が出る学校が有望な進学校なら、話はカンタンです。
ということでちらっと調べてみた次第です。
「3年連続東大合格者がいる」かつ「その合計が5名以下」である。
この条件を満たす学校は何校あるか。
「3年間で東大合格者2名以下である」かつ
「早慶上智の合格者比率が毎年学年規模の30%以上」という条件を
満たす学校は何校あるか。
前者はわずかに4校、後者は12校です。
前者5校の早慶上智合格比率は以下の通り。
18.2%、16.7%、14.9%、14.5%。
30%ラインのかなり下になります。
つまり東大合格者が毎年1名出ていても、
学校としての難関大合格力には直結しないということ。
毎年学年トップだけが確実に東大合格していることにさほど
意味はないということです。裏返せば全体レベルはまだまだの
学校ということになります。
上記の18.2%の学校は何と7年連続で東大合格者を出していて、
その合計人数は「わずかに」8名です。
なかなか不思議な現象だと言えるでしょう。
もしもたった1名でも東大合格者を出し続けることで、
受験生の関心を引くことができる、と学校側が真剣に考えて
いたらどうでしょうか?
石にかじりついても1名は出す。
その東大有望な生徒にかかりきりになるのでしょうか?
私立ならありえなくない話です。
今回、「東大合格」について示唆を与えてくれた学校は
前記の4校にも12校にも含まれませんが、先々、
触れなければいけませんね。
ここ数年の中学受験の主な変化、
共学(進学)校人気加熱と女子校のさらなる失速と
感じています。
春先の週刊誌の東大合格者ランキング特集号が
「広告企画」として成り立っているとするのなら、
知らず知らずのうちに中学受験生も
「世間一般」として飲み込まれているのかもしれません。
読者の前に一部の学校が先頭を切って、
飲みこまれにいっている印象も強いのですが…。
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