2017-08-07 Mon
学校規模はどうあれ、中学受験するのであれば、中高一貫生がだいじにされている学校を選ぶべきでしょう。
中学入試の時点で2ラインの募集で進行し、
上位クラスが高入生の上位ラインと混合、一貫生の一般クラスは混合せず、
一貫生のみで構成となれば、学校の意図はどこにあるでしょうか。
一貫生の上位クラスと高入生の上位クラスを混合して
切磋琢磨を期待するように思えます。
きょうの題材の学校は埼玉県の共学校・西武学園文理です。
一貫生と高入生の実績比較で言えば、年度によってバラツキは
多少あるものの、ほぼ一貫生が優位で推移している学校です。
2013年卒業生までは一貫生と高入生はまったく別クラスで進行して
いましたが、2012年から高入生の「エリート選抜・東大クラス」を
一貫生の「特別選抜クラス」と高2で混合するスタイルになりました。
高入生の「エリート選抜・東大クラス」は入学時1クラス相当、
一貫生の「特別選抜クラス」は2クラス相当ですから、
高校の学年全体から見れば混合クラスは4分の1程度、
一貫生から見れば3分の1程度と少数派に当たります。
進路実績の推移を見てみると、
たしかに混合初年度にあたる2014年実績はMARCHで自己ベスト、
国公立大実績も過去11年で2位の実績でした。
ただ2015年以降は進路実績は下降、
2011~2017年の7年間推移では国公立大・早慶上智・MARCHの
順位が7↓=7↓=7↓。2017年は
過去11年で見て3カテゴリーとも最低の数字に終わりました。
一貫生・高入生混合の効果うんぬんより、全体の低調さが
まさってしまった印象です。
こうした推移の中で一貫生・高入生のそれぞれの一部を混合した
理由を考えてみましたが、キタシロ見解はこうでした。
2013年の東大合格者は4名(うち一貫生3名)、2014年以降は
3年連続1名でした。
高2以降を「エリート選抜・東大クラス」とまとめておけば、
一貫生・高入生にかかわらず、このクラスから東大合格者が出た、と
言うことができるからなのでは?ということです。
しかし残念ながら2017年は東大合格はなかったようです。
こうした上位クラスのネーミングは学校側にもプレッシャーだと
思いますが、合格1名である時点ですでに綱渡りです。
東大クラスからは何人合格者が出ているの?
と誰しも思うでしょう。
3クラス100人弱で1人では看板倒れと言わざるを得ません。
そんな西武学園文理も2004年以前は受験者数で埼玉1位。
栄東よりも多くの受験生を集めていた時代もあったのです。
進路実績のピークは2007年ですから、まさにそのあたりが
黄金時代だったと言えるかもしれません。
「エリート選抜・東大クラス」というストレートなネーミングにも
感心しますが、それ以外の一貫生・高入生のボトムアップが
あってこそ、3年後・6年後(厳密には4年後・7年後)の
生徒募集に循環すると言えます。必ずしも学校が
東大合格者が増える→入試で上位生が集まる
と単純に考えていたわけではないと思いますが、
全体実績の低迷だけでなく、最上位クラスが有名無実化しまう
ダメージは大きいのではないでしょうか。
さて、最新の進路実績について
学校サイトでは国立大医学部合格!と大きくうたっています。
私立大学の医学部医学科は18名合格だそうです!
このページから受ける印象と実際の数字のギャップに
愕然とするのは、もしかしたらごく一部の関係者だけなのかもしれません。
■学校別・最新進路実績推移の一覧・リンク集はこちらから↓
【最新2010-2016】学校別・進路実績7年間推移グラフ・リンク一覧
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最新の2010-2016難関大合格実績推移TOP100ランキング記事はこちら(有料コンテンツ)
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