2017-08-02 Wed
中高募集をしていて一貫生・高入生を限定的に混合する学校のその理由を考えていてある興味深い学校を見つけました。
埼玉県の共学校・栄東です。
言わずと知れた中学受験者数でダントツ1位の学校です。
2017年春には9400名あまりの受験生を集めています。
最初に進路実績の推移を紹介しておきましょうか。
7年間推移の順位で示すと、
国公立大、早慶上智、MARCHの順に
7↓=6↓=4↑
自己ベストはそれぞれ、2013年、2012年、2008年。
東大合格者の7年間推移は
12名→11名→12名→14名→9名→27名→15名
ですから、停滞感はあるものの、はっきり減速している
印象はありません。
中学募集のクラス編成は
「東大クラス」と「難関大クラス」
はっきり「東大」という名称を使ったのは
この学校が最初だったと記憶しています。
少なくとも東大合格者に関する限り、
一貫生のほうが高入生よりも圧倒的に多かったことが
学校アンケートからもわかります。
当然中高一貫に力を入れている学校のように見えますが、
ここまでの中高募集推移を見ていくと、
年度によって状況が違い、何とも分析困難と言わざるを得ません。
それは中高一貫生と高入生の比率が大きく変動しているからです。
例えば2010年度の卒業生を見ると
一貫生242名、高入生321名、計563名。
2012年は
一貫生150名、高入生138名、計288名。
2015年は
一貫生132名、高入生272名、計404名。
翌年、翌々年は6年ぶりに卒業者数が500名を超えましたが
2016年は高入生比率が80%で、2017年は高入生比率は50%でした。
学年規模も比率もバラツキが大きいことがよくわかります。
進路実績がなぜ伸びたのか、なぜ止まったのか
なかなか推測は困難です。
またまた長くなりそうなので
きょうのところは手がかりをいくつか書いておくことにします。
・2016年度卒業生までは一貫生・高入生を混合しない完全別クラスでした
・2012年までは「東大クラス」は1クラス募集、翌年以降は3クラス100名以上に
増やしています。(2013年度入学生の卒業は2019年です)
・2009年以前は高入生の実績が一貫生を上回っていましたが、2010年のアンケートのみ
詳細非公表。2011年以降は徐々に拮抗しつつも、一貫生優勢が顕著になりつつある状況です。
・埼玉大合格者に限っては高入生のほうが安定して多い
・高校のクラス編成は東京大学や国公立大学医学を目指す「東・医」、
最難関大学現役合格を目指す「α(アルファ)」
・2014年の中学入学生は10クラス372名
中高募集をしていて一貫生・高入生を限定的に混合する学校の中で
進路実績最上位の栄東ですが、コース別募集で最難関大のみならず
ボトムアップも果たせるかどうか、いまだ道半ばという印象です。
ということで次回に続きます。
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【最新2010-2016】学校別・進路実績7年間推移グラフ・リンク一覧
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