2017-07-18 Tue
高校募集主体の学校の進路実績がひと息伸びきらないというテーマはひとまず置いといて、
高校募集をしていない完全中高一貫校のなかでも
進路実績の明暗は分かれています。
学校規模や男女別学などの要素で
失速パターンを定義するのは難しく、
あくまで進路実績上位校では中高一貫生を
中心に高い難関大合格実績を残しているとしか
いいようがありません。
7/12の「進路実績の加速減速を再度フィルタリング」の記事の中の
2011-2017平均値と2017単年実績のギャップ(-)が大きい10校では
その半分の
山脇学園,湘南学園,跡見学園,穎明館,暁星
の5校が完全中高一貫校に該当します。
内訳は男子校1、女子校2、共学校2。
本ブログではすでに山脇学園と穎明館については
5/22の記事、6/18の記事でそれぞれふれていますから、
残りの3校について見てみます。
きょうは東京の男子校・暁星。
高校募集はありませんが中1のほぼ半数が系列小からの内部進学生
という学校です。
17年春の東大合格者は9名でうち現役合格は7名。
学校サイトを参照すると、なんと過去10年間の
「東大・京大・早稲田・慶應・上智・海外」合格者数という項目があり、
「東大・早稲田・慶應・上智・早慶上智計」の現浪別合格者数が掲載されています。
東大合格者は最多が2013年の17名。最少が2009年の7名ですから
この部分だけに注目するとかなりの強豪校です。
学校サイトのこのコーナーにはなぜか10年間の平均合格数も集計されていて
現浪比率はほぼ2:1。にもかかわらず2017年の学年全体の現役進学率は掲載されていません。
手元の資料によれば2007-2016年の現役進学率は54.5%ですから、難関大における
現役合格率の高さは同じ学年の中での学力差が大きいことを示します。
また医学部志望者も多いようですが、17年の最新実績では、
国立大医学部:合格者12名(うち現役11名)、私立大医学部:合格者60名(うち現役29名)
これもなかなかインパクトの強い数字です。
進路実績の推移を見ていくと早慶上智のベストは2006年。2013年にそのベストに迫る
数字がマークされているものの、近7年突出しているのはその2013年だけです。
2013年を除けば、3カテゴリーとも推移に活気がなく、7年間順位では↓6=↓7=↓7で
2011-2017平均値と2017単年実績のギャップ(-)が大きい学校の仲間入りということです。
2018年で創立130年という伝統校ではあるのですが、入試が2/3の1回のみ
という入試スタイルを守っている以上は、中学受験生にとって第一志望としては
ピックアップしにくい学校になって当然です。
巣鴨(6/19)のときもふれましたが、あくまで早慶上智以上という高いモチベーションで
常に合格比率は早慶上智>MARCH。
そもそもMARCHを受験しないから合格もしないという志向。
そんな進路希望のアンバランスも伝統校の個性と開き直る手もあるかもしれませんが、
キタシロとしては他の男子校のケース同様、強気を貫いて
希望の進路がかなわなかった過年度生を心配してしまいます。
■学校別・最新進路実績推移の一覧・リンク集はこちらから↓
【最新2010-2016】学校別・進路実績7年間推移グラフ・リンク一覧
独自ドメインブログ・こことは別内容→中学受験DEEP-INSIDE 2016-17
最新の2010-2016難関大合格実績推移TOP100ランキング記事はこちら(有料コンテンツ)
コンテンツを整理して利用しやすい環境を整備中です!応援クリックもよろしくお願いします!

にほんブログ村
- 関連記事
-
- 高入生を伸ばせる学校は一貫生も伸ばせる (2017/07/24)
- 中高募集のバランス…わずかの差が数年で大差になった例 (2017/07/21)
- 伝統校の大いなる苦悩(35校め) (2017/07/20)
- 進路実績を伸ばすのも生徒たち自身のため(34校め) (2017/07/19)
- 完全中高一貫で学力差が気になる場合(33校め) (2017/07/18)
- vs高入生…中高一貫生のアドバンテージ (2017/07/17)
- その学校を「中学で」受験する理由 (2017/07/16)
- 一貫生、高入生どちらを先に伸ばす?(32校め) (2017/07/14)
- 伝統の都心女子校が上昇の兆し(31校め) (2017/07/13)
スポンサーサイト