2017-07-04 Tue
「難関大学合格率の伸び」については表面上の数字だけでなく内容もあわせて
吟味する必要があります。
国公立大、早慶上智、MARCHのそれぞれが
しかるべき割合で伸びている、
その過程で自己ベストを更新しながら
現在に至っている。
少なくとも2016年までは多くの進学校で
MARCH実績は順調に推移していましたから、
2017年だけの伸び悩みで
一気に帳消しになってしまうケースは
それほど多いわけではありません。
ここから次年度に向けての課題は
大学側の合格者の絞り込みでこうした下支えの部分が
縮小されると、それぞれの学校の実力がより浮き彫りになる
ということだと思います。
これは高校募集のない完全中高一貫校と
高校募集のある中高一貫ではそれぞれの求められている結果が
やや異なるという側面も無視できません。
きょう取り上げる学校は埼玉の共学校・大宮開成。
2005年に中学を開設し、この春で中高一貫7期生を
送り出しています。
この年は同じ県内で浦和実業学園も中学を開校し、
大宮開成1456名、浦和実業学園1183名と初年度から
多くの受験生を集めました。
以降どちらの学校も中学入試では安定した募集を続けては
いますが、進路実績で見るとかなり差がついています。
大宮開成は一貫生が卒業して以降の7年で
3カテゴリーで計13回のベスト更新。
その前の2009年から2016年までの8年で
3カテゴリーのうちのいずれかで必ずベスト更新を
記録すると言う順調ぶり。
ただ肝心なのはやはり表面的な数字だけではないようです。
2017年卒業生で見ると学年19クラスという大規模校。
このうち一貫生はわずかに3クラス。
まさに少数精鋭。
クラス編成はというと高校3年間は高入生とは別クラス。
ただこれだけ高入生と人数が違うといかに精鋭でも
多勢に無勢、全体の数字をここまで引き上げることは
難しいはずです。
つまり、中学開設と同時に、高校の進学レベルも上昇している点が
大宮開成のポイントです。
実際に17年実績を見てみると
一貫生実績は高入生実績より確かに高いものの
圧倒的優位とまでは言い切れません。
一貫生の国公立大実績はもっとほしいところでしょう。
高校募集メインの大規模校の中には、中高一貫生を特進クラス的な
位置づけにおいている学校も多く、
仮に一貫生が優秀な実績を残しても埋もれてしまい目立ちません。
すると中学受験生からも注目が集まらないということになります。
21世紀に入って以降も埼玉では多くの学校が中学を開設しましたが、
近年、中学入試を成功させている学校とそうでない学校の差が
より顕著になってきました。
中学募集校増加とともに推移してきた
埼玉県内の中学受験率上昇もここ10年では頭打ちになり、
わざわざ中学から入学すべきかどうかの見極めが
シビアになっていると言えるかもしれません。
ちなみに大宮開成の7年間推移の順位ポイントは
4↓=2↓=3↓
どのカテゴリーも前年よりダウン。
MARCH実績も実人数では変わらないものの、
学年規模が前年と差があるため%では下降し、
9年ぶりにベスト更新のない年になりました。
特に国公立大の4↓は一貫生が牽引していない
結果だけに今後の勢いが気になるところです。
■学校別・最新進路実績推移の一覧・リンク集はこちらから↓
【最新2010-2016】学校別・進路実績7年間推移グラフ・リンク一覧
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