2015-10-01 Thu
今日は「完全中高一貫校」、つまり高校募集をしない中高一貫校についてのお話の前編です。この中高一貫についての基礎知識カテゴリーも順調に書き進んできました。
・中高で別組織の学校がある→一枚岩での中高一貫教育を行っていない
・小中高大と合流する生徒の構成が違うことが学校の個性を生む
・高入生と中高一貫生の質の違いを許さない学校がある→その差を公表しない(情報隠蔽)
・はっきり高校募集を主力をとらえている中学募集校もある
・系列小からの合流が多いと競争が起こりにくい傾向がある
このほか、進路データのカテゴリーでは系列大への内部進学比率と学習への
(難関大学を目指す)モチベーションの違いを数字を用いながら説明しました。
中学受験の「基礎知識」なら語り尽くせないほどまだたくさんあると思われますが、
「中高一貫」ということであれば、重要なものはさほど残っていないようにも思います。
なので、この「基礎知識」カテは少しペースを落として気づいたことをコツコツ拾っていきたいと思います。
あるブログで東京は高校募集のない完全中高一貫校が多い、という記述にぶつかりました。
つい数字で語りたくなるのは悪い癖なのかもしれませんが、
東京都内の中学募集校で高校募集しない学校の割合は24%、
神奈川県内で同じく高校募集しない学校の割合は44%です。
東京都内の完全中高一貫校(の実数)は44校で、神奈川県内は26校ですから、
絶対数では東京のほうが多い。けっこうこういうロジックにひっかかるケースって多いですよね。
でも業界の常識的には、神奈川は中学でしか募集していない学校の比率が高く、
東京はそれほどでもない、ということになります。
万が一中学受験で失敗して、高校受験で私立高校へリベンジするのであれば、
とてつもなくハードルが高くなるのです。
(母集団が全然違うため、模試の偏差値が中学受験と高校受験では10~15も違う)
特に女子の場合は高校募集しない学校が東京・神奈川ともに多いので
中学受験で失敗した場合、取り戻すのは困難と言えるでしょう。
(最初から中学受験を視野に入れてない層ではそういう感覚がまったくない、わけです)
中学受験をするとはどういうことか、は高校受験から始める場合と、きっちり比較して意識しないと、
あとあと苦労することになるんですね。
(続き・後編は3日後の日曜夜の更新で)

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