2017-06-21 Wed
2017年最新の進路実績の評価。サンプルを多く取れば取るほど徐々に
学校間に共通のパターンが
見えてくると考えています。
ひとつはここまで好調であった学校の持続。
そして不調が続いていた学校の持続。
突然の急上昇の場合も、やはりそこまでの流れを重視したいところ。
難関私大合格者が絞り込まれた状況で
国公立大、早慶上智、MARCHと3カテゴリーとも
自己ベストを更新したのなら、次年度の反動に警戒しつつも、
素直にプラスに評価すべきだと思います。
しかしながら、今回それに合致する学校はトップ100圏内には
見当たりません。
いっぽうで常に慎重に評価すべきなのは急落校。
突然の実績急落。
これはたまたまその学年が…という場合もありますが、
それまでベスト更新の頻度が多くない学校が
一度急落すると取り戻すのはなかなか大変です。
さて、きょう取り上げるのは東洋英和女学院。
これまで取り上げたのは難関私大の大学側発表の合格数と
学校側発表の合格数にもっとも差がある学校としてでした。
その人数はMARCHで13名、早慶上智で44名、合計57名。
大学側発表数を100とすれば、学校側発表数は152(という比率)。
まずは他校同様、合格者比率の推移を出しておきましょう。
国公立大の自己ベストは2015年の12.4%。
2017年春は8.2%。
早慶上智のベストは2015年の74.1%。
2017年春は45.1%。
MARCHのベストは2013年の81.1%。
2017年春は46.2%。
国公立大の数字はもともと大きくないので
特にコメントしなくてもよいと思いますが、
早慶上智はベストを更新した翌年から
2年連続で減少しています。
もし一般入試の合格者数だけで比較したなら、
74.1%→45.1%以上の急落の可能性があります。
2010~2015年の6年間で早慶上智は計4回のベスト
更新を果たしていますが、今回の急落で一気に
2010年時点の水準に戻ってしまいました。
東洋英和女学院は学校サイト上にも
合格者・進学者のデータを詳細に公表していますから
さらに分析すると過去のデータと比較して
こんなことがわかります。
早慶上智がベストだった2015年は
早慶上智「進学者」61名、MARCH「進学者」21名(卒業者185名)
これに対し2017年は
早慶上智「進学者」40名、MARCH「進学者」25名(卒業者181名)
つまりMARCH進学者は減少していないわけです。
この数字が示すのは
早慶上智不合格→MARCH進学の流れです。
さらに掘り下げるなら、この学校では
上智・青学・立教の志向が強く明治はあまり人気が
ありません。
2015年の現役合格者数を2017年と比較すると
早稲田54名→19名、明治25名→12名、立教48名→27名と
この3大学の減少が顕著です。
MARCH進学者増の内訳は青学・法政の増によるもので、
難関私大進学者の推移と総合格者数減がリンクしていることが
見てとれます。
東洋英和は入口を見ると
受験者数も難易度も安定しています。
にもかかわらず、このような急失速が起こるのは、
もちろん学年によるムラもあるかもしれませんが、
国公立大<私立大、そして
早稲田・明治<慶應・上智・立教・青学という
はっきりした進学志向のせいなのではないでしょうか。
そこに難関私大合格者絞り込みが重なった…。
まさに進路実績は校風を表す、ということです。
2017年単年の実績だけで言うなら、
早慶上智合格比率40%超の女子校は以下の19校。
桜蔭,鴎友学園女子,吉祥女子,共立女子,光塩女子学院,
頌栄女子学院,女子学院,白百合学園,東洋英和女学院,
豊島岡女子学園,富士見,雙葉,鎌倉女学院,湘南白百合学園,
洗足学園,フェリス女学院,横浜共立学園,横浜雙葉,
浦和明の星女子
このうち国公立大実績で10%を下回る、
つまり私大志向が強く出ているのは
共立女子,東洋英和女学院,湘南白百合学園
のわずか3校。
逆にこのうち国公立大実績で10%を上回りながら、
早慶上智合格比率で40%を下回るのも
わずかに以下の3校。
晃華学園,田園調布学園,普連土学園
まあ、国公立志向or私大志向については
あくまで一例です。
(中学)受験生にとっての校風の合う合わないの一端が
進路実績の推移の詳細にも垣間見える
ということでしょうか。
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