2017-06-08 Thu
大学合格者数…客観的な「公式」データは存在しません。いや公式なデータが客観的と言い切れないところがミソです。
だからといって深く気にしても意味がない…
わけでは決してありません。
本ブログでは大学合格者数は高校が発信する情報を
公式とみなしていますが、ソースが違えば大学合格者数は
異なる数字が存在する、ということです。
推移を論じるのに支障がないといえばウソになりますね。
難関大学では大学が発表する学校別合格者数は
多くの場合、一般入試のみということになっていますが、
こうして実際の高校発表数と
比較してみると、数字に差が出る原因が複数あることが
透けて見えてきます。
ひとつめは前日にも言及した過年度生の報告数の不正確さ(a)
→高校発表数にバラツキ
ふたつめは一般入試合格者を除いた推薦やAO入試の合格者数(b)
→大学発表数に含まない
これだけではないんですね。
大学発表の合格者数には最終的な補欠合格者数は含まれないようです。
難関大学の中でもっとも多く補欠合格を出した大学はどこなのか…
残念ながらそれははっきりしないのですが、
大学発表数と高校発表数にもっとも差があるのは早慶上智なので
そこから察するしかないようです。
MARCH実績ではすでに書いたように、
(a)(b)を総合すると高校発表数のほうが2.6%少ないという結果になりました。
過年度生の報告が少ない(と思われる)麻布や開成などのトップ校の
マイナス分のほうが一般入試「以外」(の合格数)を上回りました。
高校発表数が大学発表数を10%以上上回ったのは、
東洋英和女学院、鎌倉女学院、淑徳与野、カリタス女子、城北埼玉の5校。
ところが早慶上智ではまったく傾向が違います。
(a)(b)を総合すると高校発表数のほうが13%も多いのです。
MARCH実績とは逆に高校発表数のほうが少ない学校は
女子学院、駒場東邦、桜蔭、麻布のわずか4校で、その差も
MARCHに比べてかなり少ない。
いずれも現役進学率が低く難関国公立大への志望度合いが高い学校ですが、
実際に早慶上智合格→進学しているケースが多いことが推測できます。
もっと具体的な学校リストは次回以降に回したいと思うのですが、
最大で高校発表数が50人以上多かったり、比率にして大学発表数の数字の
200%を超えた数字をサイトに公表している学校もあります。
早稲田大学の入試結果を例にとると補欠者発表は合格者の2割程度。
しかし補欠者はあくまで補欠であって合格者ではないので、実際に
どの程度の合格者が出たのかは一部の学部を除いて公表されていない
ようです。
高校側もまさか補欠発表=補欠合格=合格とカウントしているとは
思いませんが、最近は結果的に以前より不明瞭な
大学入試になったような気がします。
いずれにせよ難関私大の合格者がはっきり絞り込まれていることは
事実ですから、
もしも難関大合格実績が急落して進路指導部のムードが暗くなって
実績のサイト公表が遅れている高校があるのだとしたら、
それは学校の状況認識に不備があるような気がします。
特定の学校に不利に働いているわけではないからです。
多少の環境の変化に動じず、生徒たちがタフに進路を選び取っていく、
そんな中高一貫校を見極めたいものです。
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