2017-03-03 Fri
ことしの中学受験はどうだったか。その問いに対してまずは、受験者の総数が
増えたか減ったか、というアプローチをするのが
普通でしょう。
ただし、ひとりの受験生が5校、6校受験するとすれば、
正確な数は算出できないのが道理です。
5校、6校に出願しても、最初の学校で合格し、
残りを受験しないという場合もあります。
一般的には間口が狭くなればなるほど、総受験者数は増える
はずですが、そこまで世間的に中学受験が注目を集めているか
といえば、そうではない気がしています。
もちろん出願者数ベースで見ても、
学校ごとの受験料の設定によって
受験生側はいくらでも「意思表明」だけはできますから、
データはさらに不正確となります。
単なる受験者総数の増減だけで、
細部を読み取るのは難しく、あとはひたすら
同条件で毎年比較することで、要因をあぶりだすしか
方法はありません。
さて、前4回で、東京・神奈川・千葉・埼玉と
受験生を多く集めた学校に絞って集計してみた
小計の表は以下のようになります。

当然、増加した学校が上位に来て、減少した学校の順位は
下降しますから、そこまで正確であるとは思えませんが、
あくまでニュアンスとして読み取っていただければと
思います。
後日もう少し、受験者数下位の学校まで集計して
精度は上げていきたいとは思いますが、おおまかな傾向は
実はまったく逆だった、ということにはならないかと
考えています。
その点では女子校の苦戦傾向だけは明確のように
思われます。
それよりもまず惑わされやすいのは、各都県でトップに来ている
学校が増やしたか、減らしたかで、その都県全体の増減が
支配されてしまう傾向でしょう。
3000名の学校が10%増えるのと、200名の学校が10%増えるのでは
影響力が違うということです。
近年の中学受験人気の二極化によって、受験者数の少ない学校は
相変わらず苦境に立たされており、受験生が集まる学校ほど
順調という流れがまずひとつ。
次に、そこそこ集めていた学校が何らかの要因で
突然大きく減らし、募集困難校の道を歩み始める、という傾向が
ふたつめ。
その結果を受けて、午後入試ほかの入試改革を行うも、
その効果は限定的に終わり、次に打つ手に窮するというパターン。
多くの場合、募集の順調さと進路実績の好調はリンクします。
ただ、一部においては、進路実績の好調が募集に結びつかず、
せっかくの好調が持続しない、というケースも見かけます。
そんなさまざまな要素のなかで、ここ数年で顕著になってきた
のは、一旦合格した受験生が、同じ学校を再度受験するように
誘導する入試システムではないかと思うのです。
その学校にまったく興味のない受験生を導くのは困難である以上、
一度受験したら、もう一度受験してもらう、つまり
募集コース・クラスを複線化して上位クラスへ誘導する手法です。
これまでは不合格だったから受験が終わらないケースがほとんど
でしたが、合格しても受験が終わらないケースがじわじわ
増えているようです。
そのようなシステムを採用した学校の受験者数「増」が
目立つようですから、そこは割り引かねばなりません。
不人気校はその理由を知るべきですが、
人気校も大きな増減については
過大評価しないように
ある程度敏感になっておいたほうが
よいかと思います。
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