2015-09-16 Wed
付属とは関係ありませんが、横浜雙葉のエピソードで、こんなのがありました。自分:「先生、国公立志望者が少ない理由は何でしょうか?」
先生:「例えば慶應志望の生徒に理由を聞いたら、慶應に進学したテニス部の先輩とまた一緒にテニスしたかった、とか言う生徒もいますからねえ」
ある年、医学部合格者が増えたときは
「その学年は小学校のときの同級生で難病にかかって命を落とした生徒がいて。
もうこんな思いはしたくない!って医学目指した生徒が多かったのかもしれません」
いい話、ではあります。
でも、その世界観に染まる、という話でもあります。
そういう世界観大好き! そういう環境に入りたい!
それもありです。
付属の世界にはそういう価値観もあるのでしょう。(横浜雙葉は別に付属ではありませんけどね)
そりゃ早稲田中高の外部受験で東大は狙っても、心底慶應に行きたいとは思わないはずです。
系列大学より格上の大学なら外部受験をしても許される…。
でもって、昨今の相対的なMARCHクラスの地盤沈下。
付属に入らなくてもかなりの高確率で合格できる学校が多数あるのです。
夏に開催される東京都の私立中高のイベント。2日で5万人超を集める
イベントですが、とてつもない混雑を形成しているのは、付属高校のブース。
付属中高のブースではないですよ、厳密に言うと。中学募集をしていない付属高校のブース。
高校受験生の保護者が、場合によっては本人を伴って列をなしています。
いかにわが子に大学受験をさせずにすませるか。
もうその一点あるのみ、です。
ですから、付属校の中高一貫生は
「他大進学への可能性を探る」タイプの学校でも、
高入生は「そんなややこしいことを考える意味が理解できん」という
校内格差が発生します。
2009年、日大第二を取材したときのことです。
当時すでに日大第二の系列大学進学率は30%を切りつつありました。
(2013-2015の平均値=27.8%)
(校内の)食堂前の卒業生の合格大学の貼り出し、を指さして、教頭先生は
「最近は(日大進学者は)このぐらいしかいないんですよ」
自分はそれが、肯定的なコメントなのか、はたまたその逆なのか、
しばし、悩んだものでした。
系列大進学率30%…どの層が難関大を目指すのか。
下位30%が「日本大学でいい」と思っているはずがありません。
(=上位70%がほかの難関大を目指しているはずがありません)
推薦資格を得ることができない生徒たちもたくさんいるということ。
なら「多数派が内部進学」のほうがよほど気がラク。
以降、日大第二は総合ランクTOP100から遠ざかっていったのでした。
付属校としてのパフォーマンスを発揮できる「内部進学率」適正値も
また存在するのだと思います。
(書き切れなかった内部進学ネタはまた別の機会に)

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