2016-12-21 Wed
首都圏中学受験の全体動向の俯瞰はあまり深堀りし過ぎると労多くて報われないという
結果になってしまうと思っています。
ただし数字を見ていて疑問に思うことが
やはり重要なのではないかと思うのです。
各校の進路実績7年間推移のグラフの上昇・下降のウラに
基礎となる受験者数の増減が影を落としている
ことは折に触れて説明している通りです。
伝統校でも受験者数が減少すれば、一定の競争が
起こらなくなり、進路実績の停滞に結びつくということです。
入試の改革によって一時的に受験者数の増減は
発生するにしても、それを進路実績という結果として
残せなかった場合は、数年後の不振が待ち受けているようです。
というわけで学校ごとの受験者数の増減という入試結果分析は
かなり有効だと思うのですが、意外と目にとめないのが
「倍率」です。
もちろん出願者数÷合格者という出願倍率ではなく
受験者数÷合格者数という実質倍率です。
以前偏差値表に載っていない学校としてリストアップした
学校のほとんどがこの実質倍率が1倍に近い学校でした。
ほとんど競争が起こっていないために偏差値が成立しない学校
といっていいわけです。
受験者数が募集定員と同じか下回る数では
偏差値は意味をなしません。
そこまでいかなくても、実質倍率2倍の入試と
4倍の入試では内容(受験者の得点分布)が違いますし、
入試本番でのひとつのミスが命取りになる可能性は
違うということになります。
中学受験の難易度は多くの場合、偏差値で
判断し、倍率にはあまり注目しない気がしますが、
倍率には、何人合格者を出せば、
何人ぐらい入学しそうか、という歩留まりの読みが
隠されています。
場合によっては1次入試で合格者数を見誤り、
入学手続き者が想定より多く出てしまったために、
2次入試以降のボーダーが上昇する、というケースも
なくはないようですが、
学校によってはボーダーラインや人数を
固定していたり場合もあるようです。
受験生にとっては志望順位の問題もありますから、
確実に合格をとっておくだけなのか、
できれば入学したいのかは個々で
判断は違うとは思います。
もちろん合否決定に関する
実際の得点分布は第三者には
見えるはずがありませんが、この実質倍率と
偏差値を掛け合わせると
その学校の入試の真の人気ぶりが
少しだけ透けて見えるように思います。
中学受験に限りませんが、ひとつの「おや?」
から、横断的に少し突っ込んでみると
共通の傾向があぶりだされてくるのだと思います。
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