2016-11-23 Wed
ブログ記事を書きながら、改めて気づかされることも多いというのが正直なところです。
受験情報誌を編集していた時代に気づかなかったことも
あります。
1都3県で300校を超える中学受験を対象とする学校群があり、
その分布は時の流れとともに移ろっていく、というわけです。
おおまかに受験生が集中する学校と、その逆の学校というように
二極化するという傾向は明確です。
2000名、3000名という規模の受験生が集まること自体、
中学受験に大きな偏りが存在しているということです。
それでも小規模な学校はその伝統と個性で時代を生き抜いて
きたのだと思います。
私立中学は個性的な学校の集団ですから、さまざまな価値観に
アジャストして長い歴史を生きてきたはずです。
規模が小さくて面倒見のいい学校とは、
定員割れした募集困難校を指すのではありません。
月曜日の記事がちょっと意外な反応だったので、具体的に
「小規模校」を考えてみました。
なかなか一定の法則を発見するのは難しいのですが、
こんなことが言えそうです。
小規模のボーダーラインは、
学年規模4クラス(または5クラス)で
中学3学年の生徒数が500~600名のあたり。
このゾーン、実際には伸びている学校と
停滞している学校が混在しています。
ただ進路実績の伸びをMARCH合格者まで、としてみると、
高校募集のある学校は高入生で補完できるので、
中学の規模はあまり問題になりません。
問題になるのは高校募集のない完全中高一貫校。
高校募集がなく学年規模が4クラス以下の学校の場合、
中学の学年規模のまま高3まで進みますから、外部からの刺激がありません。
これまで難関大学合格に対しては一貫生>高入生と
理解していましたから、少しこれは意外な結果です。
とはいえ実績停滞は必ずしも系列小進学者だけが要因
というわけではなく、
生徒の集団内の活性化の問題なのではないかと思われます。
ここで暫定的な集計になるのですが、
公立中高一貫校を加えた1都3県の大学合格実績上位100校。
すなわち私立TOP75の
「2007-2013」7年間平均値 vs 「2010-2016」7年間平均値を比較した
実績伸び率を見てみます。
75校全体の平均値はプラス14%弱なのですが、
高校募集がない完全中高一貫でも中学規模600人以上、
5クラス以上の学校の伸び率の平均値が20%近いのに比べ、
系列小のあるなしにかかわらず中学規模600名未満の
「小規模校」の実績伸び率の平均は12~13%に留まります。
あくまでも平均なので表現しづらいところですが
例外は湘南白百合学園、東洋英和女子学院のみで、
明確に上昇機運にあるのは中学規模600人以上の学校ばかりでした。
というわけで小規模校とは具体的にどの程度の規模を指すのか
という意味でこんな記事にしてみました。
ちなみに中学規模が400名を下回る学校は実績上位校に
存在しません。(※高校募集のない学校に限定した場合です)
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