2015-09-01 Tue
まだ地雷系の話をひきずっている感じでしょうか(苦笑)。受けるつもりのない学校の話をしても興味ない、が本心だとは思いますが、
突然偏差値表のちょっと低いところで「この学校は?」とか
いきなり浮上することがありますよ。
ないのが幸せなんですけど。
あくまでも中高一貫教育に対するその学校の考え方を見抜く、という話なので、
そこを目指さない保護者は気に留める必要はありません。
じゃあ、ズバリ校名を挙げましょうか。
21世紀になって中学を新設した学校の戦略です。
最初のペアは埼玉の大宮開成と浦和実業学園。
かなり明暗が分かれてきましたね。
同じ年度に中学を開校した2校、実は最初から立ち位置も違うし、
描いたビジョンも違ったんだと思います。
でも同じ年度にスタートするとこうして比べられます。
中高一貫一期生の卒業年度、中高一貫生に限って言えば、
浦和実業学園の一期生の成績は素晴らしかった。
ところが続きませんでした。
中高一貫生の頑張りが高入生に伝わるかと言えば、
浦和実業の学校規模からいって難しいところ。
いっぽう大宮開成は中高一貫一期生が卒業する前から、
進路実績は伸びていました。こちらも学校規模はそこそこ大きい学校なので、
学校を挙げての取り組みがあったことは、疑いようがありません。
かくして、大宮開成は誰でも滑り止めとして機能する
偏差値ポジションからはすぐに脱出し、
受験者数のバブルは終わってしまいました。
でも、ここからが正念場ですからね。
↓(受験者数の推移)両校ともピークは過ぎているものの、大宮開成は盛り返し傾向。

ちなみに大宮開成は高入生を含む進路実績でトップ100入りしています
(公立中高一貫を除いた場合)。
まだまだ(早慶上智より)MARCH偏重の数字ですが、
高校受験生のボリュームゾーンもがっちり食い込んでいるということですね。
↓中高一貫生と高入生の比率

ご覧のように両校の中高一貫生、高入生の比率は似通っていますが、
難関大進路実績・総合ランキングのポイントでは15年春、
大宮開成は浦和実業のなんと6倍の数字をたたき出しています。
これを浦和実業学園の数字には高入生の数字が含まれているから、
で片づけてよいと思いますか?
それを言うなら大宮開成も同様です。
学校側が意図したかどうかはわかりませんが、
結果的に中学で入った生徒たちは浦和実業学園の高1時点において、
最上位の特進クラス、としての位置づけになっていて、
MARCHレベルで満足してしまったような気がしてなりません。
つまり、中高一貫生と高入生の比率に大きな差があると、
一貫生のモチベーションを支えるのが難しい好例だと受け止めています。
大宮開成はそこのところ、高校から入った生徒たちにも適切な進学の目標を設定し、
切磋琢磨する環境を用意したと言えるのではないでしょうか。
それが学校のビジョンというわけです。
中高一貫生と高入生の比率に大きな差がある、場合は
まずそこをチェックする必要があります。
(後編につづく)

「もっと、もっと!」という方は応援よろしくお願いいたします!
- 関連記事
-
- 「中高一貫」についての基礎知識→PART6(完全中高一貫校)前編 (2015/10/01)
- 「中高一貫」についての基礎知識→PART5(系列小後編) (2015/09/12)
- 「中高一貫」についての基礎知識→PART5(系列小前編) (2015/09/11)
- 「中高一貫」についての基礎知識→PART4(後編) (2015/09/02)
- 「中高一貫」についての基礎知識→PART4(前編) (2015/09/01)
- 「中高一貫」についての基礎知識→PART3(おまけ) (2015/08/20)
- 「中高一貫」についての基礎知識→PART3 (2015/08/19)
- 「中高一貫」についての基礎知識→PART2 (2015/08/06)
- 「中高一貫」についての基礎知識→PART1 (2015/07/28)
スポンサーサイト