2015-07-29 Wed
ありがちな質問に「A校とB校とどちらがいい学校ですか」
というものがあります。
果たして「いい学校」とはどんな学校のことでしょうか?
偏差値が高い学校? 東大にたくさん合格者を出す学校?
いじめのない学校? 部活が強い学校?
「いい学校」の定義は個人個人で違いますから、
「どちらがいい学校?」という質問が出た時点で、
ああ、この人は何もわかっていないな、ということがわかります。
そういった質問に対する答えを用意する場合、
A校vsB校という具体的な比較であれば、
この点ではこっち、この点ではこっち、と分析することは可能です。
でも、各要素を点数化して総合点が高いほうの学校を選ぶものでしょうか?
保護者として、どの要素をもっとも重要視しますか? と問い返したいところです。
そしてどの学校にも一長一短があります。
たとえば、いじめの問題に対して
「わが校はいじめなど一切ありません」と潔癖ぶる学校があるとしたら、
きっと本当のことを言っていないのでしょう。
でも、「わが校にいじめは普通にあります」と答えたら、
保護者や受験生にどんな印象を持たれるでしょうか?
選ぶ側はそのギャップを評価すべきだと思うんです。
「専門のカウンセラーが常駐しています」という学校よりも、
「各教員がカウンセリングマインドを持って、在校生それぞれと円滑なコミュニケーションを
心がけています」という回答のほうがもっともらしいでしょう。
もっともらしいことがすべて評価対象とは言えませんが、
学校としてどう見られたいか、を教員スタッフがしっかり自覚していることが
重要だと思うんです。
進路実績もしかり。1都3県で中高一貫校(中高併設校)は300を超えますが、
進路実績の上位100校の約7割が、なんらかの形で毎年実績を伸ばしています。
その相対的な状況を知らずに、
「わが校の進路実績は右肩上がりです」といくら言ったところで説得力を欠くわけです。
どういった大学への合格者がどの程度増加しているかという具体的な内容や、
難関大というカテゴライズではなく、その先、成人して職に就いてからの人生設計に
いたるビジョンをしっかり示せる学校は意外と多くはありません。
とにもかくにも、受験情報誌を編集する側から言わせると、
学校の客観的なポジションを把握するための、自己データの分析が不十分な
学校がとても多いように感じます。
これは入試広報の先生に限ったとしても、学校間で大きな差があるのです。
「いい学校」を見つけるためには「地雷を踏まない」ことが大事。
偏差値と言う難易度ばかり気にかけていると、つい失敗してしまいがちです。


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