2016-05-02 Mon
■某女子校のメインエピソード第三回「理系に強い女子校」の記事はそれなりに出来上がり、一件落着。
でもこの年はそれで終わりませんでした。
この学校は「おすすめ併願パターン」企画にも参加したいという
ことでした。この年の申し込みはこの学校だけ。
ですから「この学校の併願校として本校を」と好きな相手校を
指名できるはずでした。
でも実際は「難関校を受けるときの併願校」というサンプルパターンしか
用意していないので、オリジナルな発想をしないと
この企画の併願パターンは完成しません。
しかし、この学校、というか代理店は企画趣旨をまったく理解してませんでした。
この偏差値で桜蔭や女子学院と併願が適切な女子校、ではあんまりです。
まずは近隣のライバル校でしかもこの学校より上位の学校を指定しないと
企画になりません。その希望が全然なし。
編集部で全部考えて提案です。
この企画、偏差値60の第一志望でも偏差値40の滑り止めが適切、とは簡単に
いきませんから、この学校から受験生を奪いたい、の具体的なマーケティングが
されていないとチンプンカンプンです。
あえて言うなら、各校のそういう戦略を編集部で吸収したい意図もその企画は
持ち合わせていたのですが、最終的には
「すべて編集部にお任せします」とギブアップしてしまいました。
見事と言えば見事です。
実際のところがその予算で広告な打てそうな媒体として無理がききそうな
そのサイトが指名された、というだけだったのです。
もちろん広告効果を評価されたという受け取り方もありますが、
最後は定価の6~7割引で、お客はこっちだ状態になったわけです。
これ自分が取材して制作作業をしなかったら、外注経費で足が出ていたんですが、
ポンコツな広告営業は自分たちの売り上げが立ったことで満足し、
最終的な利益のことは眼中にないというお粗末でした。
普通は在籍時の話でここまでで終わるのですが、
何とこの件にはまだ続きがあったのです。
このやっつけの「理系に強い女子校」の記事を翌年もお願いしたいと
言ってきたんですね。それでサイトが消滅するまでの時効待ちになったというのが
真相です。たぶんクライアントとしての広告企画の期限はとうに終了している
はずですが、実在する記事に対してここまでいうのは気が引けます。
広告営業は担当者が退職したのでと丁重に断ろうとしましたが、
「そんなこたあ知ったこっちゃない」と聞き入れませんでした。
そんな経緯がありますから、退職前にこの仕事だけはやっていってと
言われて固辞したのは当然です。
結局ごまかしごまかし記事はなんとかできたようでしたが、
明らかに「低予算でそこそこの広告効果」という
代理店の内部パフォーマンスのための仕事です。
幸運なことにこの学校の受験者数はこの当該の特進クラスについては
減ることはありませんでした。ただ県立千葉や東葛飾など、
公立一貫校の受検生の受け皿としての入試も行っている学校なので、
その分の水増しは追い風になったように思います。
広告はみんなが幸せになればよいのですが、なかなかそうは行きません。
ここまで極端な例はさすがにキャリアの中でも珍しく、
代理店の利己的なパフォーマンスが印象的で忘れられません。
仕事をしているふり症候群の病巣はどんな企業でも深いものです。
え?いくら読んでも校名が出てきていないって?
数行前を読んでわからないのであれば、わからないほうが幸せです。
この県に女子校はKとSとWの3校しかありません。
その真ん中の学校であることはすぐにわかったと思うのですが。

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