2016-03-12 Sat
昨日の鳥の写真。被写体はオナガガモ。
場所は千葉市の埋立地の一角。
ふつうに考えれば、夕暮れどき、うまいこと逆光になったから
撮ったんだろう、というふうに考えるのではないでしょうか?
だとすればオナガガモのシルエットを判別して、太陽の向きを判別して、
ちょうど向きが真横になるタイミングでシャッターを押した、
までは推定できるでしょう。
ちょっと待ってください。このオナガガモたちの移動スピードは
時速何kmぐらいでしょうか。
もちろん容易に追尾できる速さですが、
だったらキタシロはどの時点でこの構図をイメージしたのでしょう?
仮にカモたちの移動速度が時速5kmだとして、10m先にいたなら、
太陽の方角と一直線上になって、こういう光の加減になる時間は
何秒間でしょうかね? いやいや算数の問題ではありません。
もう答えをいいましょう。
オナガガモが珍しく「波打ち際」でお食事中だったので、最初は
つがいが揃って顔を上げる瞬間を待っていました。
だがしかし、あまりにこの2羽は夢中になっていて狙った構図になりません。
あきらめかけたところで波打ち際を犬を連れた男性が近づいてきました。
オナガガモのつがいは、さりげなく食事を中断して距離をとりました。
1.オナガガモ発見、位置把握

2.人間を嫌って沖へ進出

4羽のうち2羽が気にして餌場の方向を見ています。
3.揃って移動、徐々に逆光ゾーンへ(昨日の記事で使ったカット)

4.逆光ゾーンを徐々に脱出


犬を連れた男性はカモなんて眼中にありませんから、どんどん近づいたため、
4羽のカモは波打ち際から徐々に遠ざかっていきました。
つまり、犬の散歩によって完成した構図なんですね。
キタシロは「あ、真横になった」「と同時にうまいこと逆光MAXじゃん!」と
シャッターを押しました。ほんの10秒ぐらいでしょうか。
カモたちは勝手にその構図の中に飛び込んでいってくれたわけです。
そうでなければ動いているカモに対して、太陽と一直線上に位置するために
撮影者は移動するしかないのです。(まあ不可能です)
こういう瞬間的な判断は数限りなくあります。(写真撮影に限ったことではないですよ)
第一段階は被写体の発見で、第二段階は適切はシャッタータイミング、被写体のポージングですが、
さらに余裕がある場合は構図が第三段階として加わります。
特に生き物などの一定速度で、もしくはランダムな方向に動いている被写体に対して
カメラを向けながら、行動の予測や、聴覚情報も含めて
フレームの外で何が起こっているか、起こっていそうかの情報を収集することで、
ありふれた被写体でも「ふふん。そっか」という写真に仕上がるのだということが
場数を積むことでわかってきました。
これを「センス」と呼ぶには無理があると思うんですよ。経験値でしょう?
たぶんこの構図を予想していて、300mm程度の望遠で三脚を立てこの場所で30分待っていたら
間違いなく似たような絵は撮れるでしょう。
しかし数百羽も水面に浮いているカモたちのなかで、判別できる距離で
波打ち際にいたオナガガモはこの4羽だけでした。ほとんどがスズガモでした。
オナガガモだからシルエットが面白いと思ったわけです。
そもそもスズガモは多すぎるし、こういう行動になりません。
それをありふれたコンデジのズームで(手持ちで)撮るから面白いのです。
こんなことは人工知能にはできやしないでしょうね。
情報を取捨してまとめあげる機能は人間に備わった機能です。
それを何を以て磨くか。
早い話が、ただの偶然をそれらしく仕上げる、という能力はまだまだ人工知能には
無理だと思うのです。
この後、なんだか対照的なエピソードが続くのですが
(もちろん鳥じゃなく人間の話です)
続きは長くなるので、また来週末、にでも紹介します。
ま、最後に夕陽の写真でも出しておきますか。
夕陽もだいぶ撮りましたけど、まあなかなかうまく撮れませんね。


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