2016-02-06 Sat
久々にきょうは1都3県の公立中高一貫校の話を。1月あたりまではだいぶ都立中高一貫の話が濃かったんですが、
たくさん書いたのでかなり落ち着きました。
今春は選抜状況のほうも、同様にかなり落ち着いてきました。
応募者は減少傾向で、少しずつ門戸は広がっているようです。
16年度の選抜についてこれもイッキに分析しきれませんので、
ほかのテーマ同様、少しずつ区切ってということになります。
今回はあくまで概要。
うまくカテゴリー分類を利用して、話の流れを押さえていただけると助かります。
まず応募者数の数字ですが、別々のことが同時に起こっているように思います。
ひとまず今回は九段中等教育学校をこれまで通り都立に準じる存在として
扱いますが、それも少し違うような気がしています。
もしもその感触が正しければ、神奈川でも県立と、横浜市立、川崎市立を
同列に語るべきではないのでしょう。
以前もここで言いましたように「公立中高一貫」というくくりは年を追うごとに
陳腐になっていき、学校の個性が分化していくはずです。
ですから「公立中高一貫」ではなく「学費の安い、非私立校」という解釈に
シフトしていくかもしれません。
1都3県の「公立」中高一貫校の応募者数は、昨年よりも増加しました。
「え?増えているの?」と驚いた方々はどのぐらいいるでしょうか?
記事冒頭のトーンと違いますよね。はい、早とちりです。
千葉県立で東葛飾が募集開始したために、総計が増加したに過ぎません。
実はこれまでも新設校が登場した年はそのおかげで全体のパイが押し広げられる現象が
起こりますが、翌年はそのパイは確実に縮んでいきます。
埼玉の伊奈学園を含め、今年度は1都3県で19校が生徒募集をしていますが、
既存の18校のうち、男女計で応募者数が増加したのは、小石川、南多摩の2校のみ。
このほかの16校は応募者減が現実です。
千葉の既存の2校に至っては10%以上の減少。
つまり千葉県のパイも限定的なので、県立千葉、市立稲毛に影響が出たようです。
沿線が違うのに不思議な現象です。
常磐線沿線でもかなり県立千葉に興味を持っていた層が離れた、ということに
なるでしょうか。
もっと厳しく言うのであれば、都立小石川以外は人気低下です。
これが門戸が広くなり、紛れずにほんとうの志望者が合格に近づくのであれば
好ましい傾向ですが、それも言えないようです。
不自然な現象が起こっているからです。
それは男女比が女子偏重へとシフトしていっている、のです。
応募者ベースで1都3県の19校中、男子の比率が女子より高いのは、
小石川、武蔵、両国、県立千葉、東葛飾、相模原のわずかに6校。
三鷹は16年の選抜から、わずかながらも女子優勢に転じ、
白鴎に至っては男子の比率が40%を割ってしまいました。
逆に、1期生の実績が高かった県立相模原では男子の比率が伸び、
東葛飾の初年度募集でも男子の受検生がわずかに女子を上回って
います。
これは残念ながら、期待できる学校には男子の受検生が
集中する現象としかいいようがありません。
公立中高一貫について言うなら、バブリーな志望者殺到現象が
年を追うごとに落ち着いてきた、のはあくまで表面的な現象で、
学校ごとの密度差がだいぶ偏りが出てきたのだと思われます。
偏差値にこれが明確に表れてしまうと、おおごとですが、
まだその前段階で、気づく人はごく一部でしょう。
公立中高一貫も学校差を意識して、「選ぶ」時代が来る…
ブログを始めて以降、これは強調しているのですが、その足音が
大きくなっています。
教育内容も、建前は公立同士でノウハウを共有して、共に歩む…
なのでしょうが、きっとそれは幻想(理想)に過ぎないでしょう。
この仮説が間違っているとするなら、応募者減少率の順位と、
4~6年後の進路実績に何の関連もない、という事実が証明される
必要があると思います。
ちょっと回りくどいので、繰り返しますが、それは優秀な進路実績を見て、
志望してきた人たちが、学校に裏切られることを意味するのです。
この記事に紐づけたい話も用意していますので、まず数字を併記しませんでしたが、
入試結果の話が一周したら、再度突っ込んでみたいと思ってます。
本日のところは、
太字の部分、文字色を変えた部分だけ、受け止めていただければ、と思います。

徐々にことしの中学入試がどんな入試だったか、おぼろげに見え始めました。分析までもう少し時間をください。17年以降の受験生必見の記事を連発しようと思っています。応援クリックもよろしくお願いします!

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