2015-08-11 Tue
まずは10年以上も前の昔話から始めます。とある八王子の大学附属校から、
記事広告の申し込みをいただき、出向きました。JRの駅からバスを乗り継いで20分、
事務長の方を訪ねました。
「今年もお申込みありがとうございます。記事の打ち合わせをお願いしたいのですが」
(事務長)「えっと何だっけ」
「○○(誌名)です。見本誌はお手元にありましたでしょうか?」
(事務長)「わからないな、どっかにあったかな」
(自分のカバンから出して)
「ではこれでございます。去年はこのように制作させていただきました。新たな話題とか、訂正箇所とかはいかがでしょうか」
(事務長)「わからないので、担当者に確認しておきます」
最初の年はこうでした。「え~っ!!!」です。片道一時間半かけて行って、この対応。
「それではよろしくお願いします。」と2分で学校を後にするしか方法はありません。
だったら、電話で済む。
1時間半かけて訪問するのは忠義の儀式か(マジでその可能性も)
相手が何の目的で来るか、確認せず、来訪されたら「即答はできない」
何も準備していないわけだ。
もちろん仲介した広告代理店は、この事務長を訪ねるように、の伝言だけ。
こんな学校ばかりではありませんが、このときはショックでした。
実はこのときが初年度じゃないですよ、この学校。
自分の前任者のときも同じことをやっていたらしい。
予算の権限を持っているのはこの事務長で、取材対応をするのは別の広報担当の先生だ、
ということを学びました。相手先の人間関係を読め、というのはビジネスの基本ですよね。
次の年も同じように「事務長を訪ねてくれ」と代理店がいうので、誰がそう言っているの?
と切り返してあげましたよ。
(この学校は10年経った今でも浮上した、とは言えない立ち位置です)
一般的に予算を確定して売り上げるのが代理店(営業)の仕事であって、どう制作するかに
ついてはまったくの他人事、というのが基本のようです。
広告業界一般にあることかもしれないですが、最終的な顧客満足度を深く考えていない時点で
まあ二流の人たち、ということでしょうか。
事務長も「広告制作の業者が訪ねてくるので話を聞けばいい」
ぐらいの認識なので、代理店だけの問題ではありません。どっちもどっちです。
学校によっては取材対応が億劫で、前年の記事に赤字を入れて、ほぼ日付や曜日だけ直して
「去年のままで問題ない」とFAXで返信してくるケースも出てきます。
編集部の作業としてはこっちのほうがラクです。
これが常態化すると、企画そのものを洗い直してリニューアルすることも難しくなります。
それでいい記事、いい企画になるでしょうか?
で、企画が変わると、対応が面倒なので広告出稿は取りやめる、てなもんです。
たとえ時間がなくても学校側の担当者とできるだけ面会して近況を確認する作業を繰り返すことから
お互い生まれるものもあると思うんですけどね。
そういえば、こうしてその業界初心者が経験を10年以上蓄積したのち、
ある学校が(広告代理店経由で)「打ち合わせせずにいきなり」取材に来てくれと言いました。
そのままではかゆいところに手が届く記事は制作できないことを承知の上で
カメラマンもライターも連れずにひとりでその学校に向かいました。
取材対応してくれた先生はまったく企画意図を理解しておらず、やりとりは最後までかみ合わないまま。
同席の代理店社員いわく「これで記事できますでしょうか」
なんとかするしかないやろうが
結果として既存の学校パンフレットの内容と学校提供の写真で仕上げた記事に、
その学校も代理店も「これでOK」と言いました。
そしてひとつだけ要望されたのは、取材対応してくれた先生の実名は削除してほしいと。
この学校の話は現時点ではこれ以上は詳しくは書けません。
時期が来たら…。


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