2015-12-03 Thu
もう受けるだけでいいから、受験生に来てほしい学校が、広告記事の企画でなりふりかまわず校名を売り込む構図。はい、この【学校の特色】の一連の流れで紹介している学校紹介記事の俯瞰です。
11/16と11/18の更新記事に引き続いてやっております。
発行した初夏の段階では、小6の保護者もそれほど切羽詰まってはいないんじゃないかなあ。
お正月が近くなって、直近の模試の偏差値にどっきりして、段々地に足がつかなくなる…。
編集部でメルマガをやっていた頃は、本当に直前まで、たしか年内いっぱいは
「どう学校を選ぶか」を論じていましたが、
お正月あたりで、もはやそれどころでなくなっているとしたら、確実に末期症状です。
いや、いまはまだ12月に入ったばかりで、全然間に合うと思うんですけどね。
さて、学校ごとの記事につけられた見出しなど、
具体的なフレーズをたくさん書いたんですが、ブログ上では、意外と長くて読めない、
内容がちょっとヘビー…な感触が伝わってきましたね。
早いとこ、慣れないと。「そのとき」はもうすぐやってきますんで。
さてさて、抜き出した19行(19校?)から、
きょうは老婆心ながら抜き出して解説してみましょう。
中・高入試が盛況、授業料無償化など学校改革で躍進するリベラル校
★名門(校名)の復活と再生を図る学校改革
文武両道をハイレベルで実現し、骨太な人間育成へ向け邁進中
★iPadの使用で、授業への参加意欲が高まる
★海外有力大学への進学者が多い
★来年度から多元型入試を導入
★「誉めて伸ばす」教育をシステム化
★世界を体験できる機会を多く設ける
基礎力を重視しながら自然体で指導、応用力育てて実績を出す
★相性の良い教師とのコミュニケーションを奨励
世界標準の教育で、夢にチャレンジする生徒をサポート
★海外でも豊かな発想力でアウトプットを行う
★与えられた環境によって大きく伸びる
未来からの留学生である生徒に未来で必要な力を養う
★建学の精神を合致する地球思考
★サスティナビリティの視点を持たせる
★誰にでも活躍の場があるアクティブ・ラーニング
難関大学志向へと明確な舵を切った躍進する共学校
目指すは発想の自由人。知的好奇心を刺激する仕掛けの数々
最初の学校。リベラルはどの対立軸に対して言うのか。宗教系?
でもこの学校のベースは仏教ですよね。純宗教系じゃないことを強調したいのかも。
2校め。自分で名門復活、言うかあ。
4校め。海外有力大学?って東大なんかメじゃない、という意味。そりゃすごい学校なんですが。もしかして企画の箔をつけるための無料掲載?
11校め。世界標準の教育って、そこまで抽象的な見出しを選ぶか。
12校め。外務省から選抜されて海外の現地校の生徒たちと交流。それをこう言い換えているんですかね。
14校め。子どもたちは未来からやってきた「留学生」。もはやファンタジー。
15校(行)め。グローバルも言い古されて「地球」思考。それと建学の精神は相通じると?
いや、「地球」のほうが進化しているそうです。明治の昔だって日本は対外を意識していましたけどね。あ、13と14は同じ学校かあ。
16校め。サスティナビリティ。持続可能な社会へという発想。いま流行です。流行を追わなくちゃね。
17校め。誰にでもがひっかかります。アクティブ・ラーニングじゃないと、誰にでも、じゃないのでしょうか? この学校が伸び悩んでいることがよくわかる見出しなのかも。
なんか、もういいでしょう。際限なく突っ込みたくなります。
最大の問題は、このタイトル・見出しで、受験生(保護者)の関心を買おう、という狙いが
あることです。
これからの複雑な社会を生き抜くための力を身に付けようと考えている、私立中高一貫校なら
こんな浅い差別化で胸を張っていてはいけないと思うんですよね。
言い換えると消費者、読み手、保護者がナメられているとも言えますか。
まあ、版元の立場に立てば、そんなことは口が裂けても言えません。
この30数校によって、この企画&事業は成り立っているので。
でも、ひとこと、掘り下げるほどに嘆かわしいと思うのです。
(ちなみによく見たらこの企画はお決まりの五十音順掲載でしたね)

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