2015-11-29 Sun
そういうわけで(中学受験の)「覚悟」を決める前に、どういう教育方針で行くか、夫婦間で決めていないご家庭がけっこう多いように思います。
この部分は、いますぐどうこう、というわけにはいかないでしょう。
そこで、こんな過去のエピソードを紹介してお茶を濁したいと思います。
これも6、7年前の話ですが、
都内の塾経営者(女性)とイラストレーター(これも女性)がこんな企画を持ってきました。
このお二人は古くからのお友だちで、女性塾長が経験したさまざまなご家庭のエピソードを
イラストレーターの方がコマ漫画に起こして出版できないか、というものでした。
自分としては正直言って、面白いエピソードなら、全然OKでしょ、と思いましたが、
1冊にまとめるためには10数本のネタが必要です。最初の4、5本はこんな感じ、こんな感じ
と順調でしたが、「こんなアホなご家庭もあるんだ」という系統と、「汗と涙で勝ち取った合格には感動するね」という系統を
どういう順序で並べればいいのか、かなり悩みました。
そこで全体の3分の1にあたる、有力な4つ、5つのエピソードを
こんな構成、とプレゼンできるようにダミー版を作ったのです。
結論から言うと、前にもこのブログに登場させた当時の部長(生粋の公立中高経験者=K大卒)が
「この企画、誰が買うの?」と言って実働3か月に仕込みは水泡に帰して終わったのです。
面白いのに…というのはありましたが、「誰が買うの?」に「こういう人が買うでしょう」
を的確に返せないと、出版企画はまずボツです。何かありそうだからやってみよう、となる
版元はいまどき少ないでしょうね。
まあ、他社の類似企画がこれだけ書店で動いている!というデータをでっちあげて、
企画を通すのも編集者のウデなんですが…。ただそういうのはせっかく
制作していっとき売り上げになっても最後は返品を食らうだけですからね。
このときの、
「おバカなエピソード」と「泣けるエピソード」のどっちが世間で支持されるのか
当時はかなり悩んだと記憶しています。
たぶん前者は部外者が面白がる話で、後者は当事者が興味深く読む話ではないでしょうか。
しかしながら、このお二人の企画持ち込み者のネタ並びは前者のほうに比重がかかっていたんですね。
つまり業界の中では「ああしないほうがいいのに…でもそれで月謝もらっているんだから、言わないでおこ」
という話がてんこ盛りなわけなのです。
塾の側からすると、あまり「涙の感動ストーリー」には興味がないのかもしれません。
というわけで、どの立場でこのブログを読むか、ということで、広がる視野は
まったく違ってくるわけなのです。
ここで「地雷校」と指名した学校に入学させてしまった保護者の方は、それなりに不愉快になる。
そりゃそうですね。
中学受験は終了したら、また先を見据えればいいと思うのですが、
そこそこ後悔している人も多いいっぽうで、幻想を抱いている方も多いようなので、
「現実」はスルスルとその両者の間をすり抜けていくのだと思います。
中学受験の真実なんかほんとうは知りたくない!
まあ、気持ちはわかるんですが、現実逃避も度が過ぎるとマイナス面のほうが
大きいんじゃないでしょうかねえ。

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