2017-03-31 Fri
以前、学校は偏差値を上げたい、受験生は合格したい、この両者の関係をジレンマと見なしました。
学校が受験生を増やしたい、と志望順位を上げたいも
ジレンマのような気がします。
普通なら進路実績が伸びて、人気になり、その学校に
入りたい受験生が増加すれば、受験者増と志望順位の上昇は
両立するはずですが…。
この両者が背反してしまう理由は、
まず受験者増を優先して発想しているからではないかと
思うのです。
このブログに何度も出てきた学校ですが、
鴎友学園女子。現在入試は2回です。
2月1日と2月3日。
2015年以前は(2月1日、2日、4日の)3回入試でした。
受験者数の推移を見てみましょう。

いやあ見事に初日受験者の比率が上昇しています。
2015年は2月1日が日曜日にあたる
いわゆるサンデーショックの年でしたから、
3次入試で初めて受ける受験生の比率が上昇して、
総受験者数が増えていますが、
そのぶんを差し引いても2013年以降は1次受験者数>2次受験者数
に変化しています。
つまり第一志望の受検生を集めることに成功した、
ということになります。
入試回数を減らして、総受験者数は
2015年から2016年にかけて大幅ダウンしたわけですから、
この「第一志望者比率上昇」が
今後にどう影響するか、注目です。
2011年には1次入試受験者比率は30%そこそこでしたが、
2回入試になった今は、63%…。
いかに学校が1次入試を受験せず、
併願校として2次、3次入試から受験している生徒を
気にかけていたかがわかる推移だと思います。
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2017-03-30 Thu
どうも、這い上がろうともがく学校に対して手厳しいキタシロです(笑)。
別に募集不調の学校、極端な学校改革を進める学校に
否定的なのではなく、募集面の努力と、
入学してからの教育内容にアンバランスを感じるから、
なのですが…。
上位校でも旧態依然として、失速傾向が続く古豪にも
違和感は持っています。
このブログの話題の中心のひとつは、
しっかりした学校選びをする、地雷校に引っかからない、
ですから、「ちょっと待って。それで大丈夫?」な
学校にはさまざまなタイプがあります。
21世紀に入ってから、よい意味で豹変したと言える
学校のひとつはやはり広尾学園でしょう。
この学校は元女子校です。
渋谷教育学園渋谷、青稜も元女子校ですが、
共学化してからもう20年以上が経過しています。
だいぶ実力が安定したということだと思います。
上昇傾向は残しつつ…。
宝仙学園も共学化1期生は優秀な成績を残していますが、
この学校は高校募集部分に女子校を残しています。
単にドラスティックな学校改革のみ評価する、という意味では
ありません。
ただ、一部に伝統的な部分を残した改革を世間は
どう見ているのか、と思います。似たような例はいくつか
あります。
旧体制を維持したまま、新体制を構築し、同じ校名で
実態の違う?複数の学校を作ろうとするケースもあります。
特進クラスと一般クラスという内部的な区分なら、
入学してからの透明度が低くてもやむをえない気もしますが、
カリキュラムや目指す進路がまったく違う学校が
同一法人、同一ファミリー内に隣接している状況は、
きっちり対比するほどに、
それぞれ在学している生徒たちのメンタルは
どうなのか、気になってしまいます。
それほどに女子校(男子校)を共学化することは、
OG(OB)の存在も含めて、
変革しないでほしい、という
逆風が存在するという
ことなのかもしれません。
まあ、結果が出れば、その方法が正しかった、
となるわけですが。
ふだん学校サイトは進路実績や募集要項ぐらいしか
チェックしないかもしれません。
たまには沿革を覗いてみると、その学校の価値観の
ルーツ、変遷が垣間見える、ということできょうは
まとめます。
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2017-03-29 Wed
2018年の中学募集から東京・神奈川で1校ずつ女子校が共学化するようです。
各々の背景は違うようですが、
ここ20年程度を見ていくと、数多くの男子校・女子校が
共学化しました。
募集困難に陥っているのは、女子校の比率が高いので、
共学化に踏み切ったのも女子校のほうが多いようです。
このうち、どの程度の割合が共学化で成果を
挙げているのでしょう。
もちろん成果とひとくちに言っても
さまざまな側面があるわけですが、
共学化することで、募集面で安定した、という最低限の
成果ですら、挙げている学校は多くないと思います。
ただし、それは中学募集の面から見た場合で、
高校募集を主体に考えた場合、共学化して、公立中堅校の
併願のポジションにうまく収まって、難関大実績で
目立たなくとも、幅広い受験生を集めることができれば、
とりあえずは成功です。
高校募集で実を取る、という考え方もあるわけです。
中学受験生はそれを踏まえて、現実を見る必要があります。
冒頭で東京の女子校2校がそれぞれの理由で共学化する、
と書きました。
でもここで校名は書きません。
ネットで調べるとすぐにわかると思います。
いま手元に1都3県の私立中学の過去10年程度の受験者数推移が
あります。
感想を率直に言うと、共学化したのに総受験者数が3桁に届かない
学校が結構目立ちます。総受験者数ベースで募集定員割れ。
そして総数50名を切っているのに、
まだ女子校のまま、というケースもあります。
四谷大塚や日能研の偏差値表には載らない学校です。
もちろん共学化すればいいというものでもありません。
共学化を決断するタイミングも学校でそれぞれでしょう。
意外と高校募集で保っている学校が隠れていたりもします。
ちょっと極論かもしれませんが、混沌とした時代を生き抜く力、
問題発見、解決能力が中高一貫の6年間で身について、
さらに進学して、愛する母校に戻り、建て直すような
OB・OGの美談がひとつくらいあってもドラマチック
なんじゃないかな、なんて無責任に思ったりしますが、
受験者がいくら減っても、学校ってつぶれないから不思議です。
それでも、この5年間で中学募集を停止した学校も
ありますから、安心はできないわけですが。
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2017-03-28 Tue
難関大学へたくさんの合格者を送り込む上位校のサイトを見てみると、多くが進路実績を
複数年掲載していますね。
推移を細かく分析しているサイトはありませんが、
客観的に判断材料を公開していることには
好感を持ちます。
これも裏読みをすれば、進路実績はいいときもあれば、
悪いときもある。ムラがあるものだ、と
永年の経験から知っているからでしょう。
麻布にいたっては10年以上も淡々とPDFファイルが
アップされています。
皆さん、これを知りたいんでしょう?
とそんな感じです。
こうして達観できない学校ほど、
自ら進路実績を分析し始めます。
いや分析をすることは必要なんです。
サイト上で「伸びている」ように見せかける(?)
ことが問題です。
学校に限らず、何事もその当事者にとって
都合のよい方向で誤解が生じるような
そんな誘導の意図がある情報発信が増えていると
思います。
なかには、悪意なくナチュラルに自らを
好意的に解釈している情報発信まであります。
読み手はどうせ裏側なんて読めやしない、
とタカをくくっているのでしょうか。
さて、学校はどういった運営を行えば、
人気が出るのでしょうか?
人気が出るという書き方だとこれも誤解しますね。
どういった運営を行えば、受験者数が増えるのでしょうか?
じゃなくて、受験生が本当に入学したい!
と志望順位を上げてもらえるのでしょうか?
別に志望順位が上がらなくても、上位生にたくさん
受験してもらうことが最優先、と
方向づければ、この議論は終わりのようです。
まあ、そういった経営上の大人の事情はあるにせよ、
自らの教育の理想を見失わない学校は
実は数少ないようです。
東大合格者を増やすことのほうが即効性があるのも
また現実ですから。
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2017-03-27 Mon
制度やスタイルは受け取る側の「慣れ」の問題も大きいのだと思います。
もしかしたら特進クラスと一般クラスを別々に募集するスタイルも
慣れだけの問題かもしれません。
ただ名称だけ「特進」とつけても、入試の偏差値の段階ですら
ほとんど差のない学校もあります。
入試のネーミングだけでプレミアム感を出そうとする
学校側の工夫の裏側をしっかり読み取りたいところです。
まだ進路実績のない学校の「将来ビジョン」を信じて
合格に飛びつくのは何度も言うようですが
リスクが高いと言えます。
実は受験ガイドを制作していたときに
「特進クラスの有無」をチェック項目にしていたことが
ありました。
率直に言うならその学校の「促成主義」を判別する目的
だったわけですが、特進クラス募集をしていなくても、
入学後に特進クラスを設けている学校はありました。
名称は特進としなくても、私立では
成績別のクラス編成をする場合が多いようです。
中学受験の際、大手進学塾でそういった「成績順」に
慣れている場合も多いのかと思いますが、
それが単なる点数主義に結びついてしまっては
裏目だと思います。
教科によって習熟度別クラス編成にするのと、
HRクラス自体を成績順にするのでは違ってきます。
つまりはその学校がどんな教育を実践して、どんな成果を
挙げているかはぱっと見ではわかりません。
もちろん偏差値表の上から判断することは困難でしょう。
それだけ学校選びは難しい。
今回の中学入試は
合格力アップだけに専心した安易な学校選びが
徐々に増えていると受験者動向から読み取れたような
気がします。
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2017-03-26 Sun
特進クラスであろうが、一般クラスであろうが、合格すれば同じ…と思えるかどうかには
個人差があるかもしれません。
せっかく難関中学になんとかかんとか合格しても、
下位合格ではその先、授業についていけず、
「深海魚になる」という主張をする人もいます。
それよりはワンランク落として、入学してから
中位以上にいるほうが幸せだと言います。
また、入学時の成績は中位だったけれど、その後の頑張りで
その学校で数人しかいない東大合格を果たしたという
例もあると聞きました。
この部分については何が正しい、ということは
まったく言えません。
志望校に入学できることがまずは幸せです。
少し前に特進クラスは誰のため?
と記事を書きました。
合格ラインが少し違う別々の入試を経て
入学した生徒たちはその後どうなるのか。
そんなデータはまず公表されることがありません。
学校によっては一貫生と高入生の大学合格実績の
区別さえありません。
些末なことかもしれません。
さて、募集時点のコース分け、クラス分けは
その後どうなっていくのでしょう。
そう考えると、どんなクラス編成で教育を展開していくかに
学校のポリシーがはっきり表れるように思いますね。
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2017-03-25 Sat
きょうはスライド合格(まわし合格)の実際について紹介してみましょう。2017年入試の実例です。
学校としては偏差値を上げたい、受験生としては合格したい、
このジレンマを解決?するのがこういった複線募集です。
とりあえず、今回は3校を例にとってみました。

まず東京都市大等々力(共学校)です。
2月1日午後に行われるS特選入試の倍率は一見2.5倍ですが、
S特選クラス合格以外に、特選クラス合格、特進クラス合格を
発表しているので、2月1日午後入試全体の合格者数は175名という
ことになります。
こういうシステムを組んでおくとS特選の難易度は下げずに、合格者を
多くとることができます。
ちなみに前日紹介しましたが、この2月1日午後S特選の偏差値は63。
同日午前に行われる特選特進入試の偏差値は57です。
続いて同じく共学校の安田学園。
2月1日午前に行われる先進特待入試は倍率が4.2倍。
ただし、一般合格者も発表しますから、受験者384名に対して、
不合格者は159名で総合的な倍率は1.7倍となっています。
最初から一般入試を受けた場合の倍率とほぼ変わりません。
一般合格しておけば、先進特待入試が1日午後、2日午後にも
設けられていますから再挑戦も可能なわけです。
1日午前入試の偏差値の差は先進特待が57、一般が48となっています。
最後に男子校の東京都市大付属。
1日午後入試のケースを見ます。
この学校の場合はⅠ類、Ⅱ類と複数ラインの募集で、相互に
スライド合格者を発表しています。
Ⅱ類のほうがやや上位で倍率は3.0倍。
ですが、Ⅰ類合格者も同時に発表していて、受験者492名に対し、
不合格者は116名。総合的な倍率は1.3倍になります。
Ⅰ類入試は2.3倍で、合格者にはⅡ類合格も含みますが、
こうして微妙に合格ラインに差をつけることで、
学校としては偏差値は下げずに
一定の合格率をキープできるという仕組みです。
こうした複線化入試は学校、受験生ともにメリットがあるように
考え抜かれたもののように感じます。
そもそもの受験者の母数のない学校では成立しませんが、
ある程度の勢いを維持すると言う意味では効果的で、
これが最新トレンドのような気がしています。
しかし、何度も繰り返しますが
それで6年後に結果が出るかどうか、が肝心です。
入試形式の問題だけではないということです。
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2017-03-24 Fri
さあ、来年度以降はじめて中学受験に臨もう、特に私立を第一志望にしようと考えている保護者の方々には、
もしかしたら、どうしてこうなっているのかさっぱりわからん!
という内容になるかもしれません。
あと各記事単独で拾い読みしても、なかなか理解できない内容かな、
とも思っています。遠い将来のことなのでいまわからなくても
いいや、と思うかもしれません。
ただキタシロ的には、少し考えれば「なーるほど…」という
内容だと思って書いています。
そうでないと、いざ本番を目の前にして、失敗の選択肢をひく
確率は高くなるのだと思います。
さて、会場テストの偏差値の信頼性…これはたかが偏差値、
されど偏差値という部分であると実感しています。
多くの場合、偏差値は学校と1:1対応しているものでは
ありません。
入試回数が多くなるほど、その学校に対して、というか、
その入試回についてさまざまな偏差値がついてきます。
そして多くの学校は自校の偏差値が「もっと上がるといい」と
考えている点については、これまでも説明してきましたね。
きょうは同じ学校の同一日程、もしくは対をなす午前午後の
日程で偏差値に差がついているケースをいくつか
ピックアップしてみました。差のつきかたは大きい小さいいろいろ、です。

(注)引用しているのは首都圏模試センターの16年12月の偏差値です
これはいちばんやさしいところで受かっても、
合格は合格。いちばん難しいところで受かっても、
合格は合格です。もしかしたら気分的には違うかもしれません。
これもまた裏を返せば、しっかり過去問対策をして、
80%偏差値に届いていなくても逆転合格する、という戦略も
可能といえば可能です。
ただし、ここのところの記事の流れですから、
学校はより実力上位の受験生を集めたい、という募集心理の面に
重きをおいて書いています。
学校別にあまり深く突っ込む気はありませんが、基本的な考え方、
構造はインプットしておくにこしたことはないと思います。
個人的には軽々しくスーパーとか東大とかの
ネーミングは嫌いです。それでも、そういう入試に
ネーミングをつけることで、よい結果がついてくるのであれば、
募集戦略としては成功と言わざるを得ませんが、さあ実際はどうでしょう。
それにしても、今回ピックアップした中には、女子校が見当たりませんでした。
コース別募集ではなく単純に午前入試・午後入試ということで見ていくと
違ってくると思いますが、コース別・クラス別募集による
偏差値のギャップに着目することを主眼にしてますので、そこは流します。
※日本大学中高のGLとはグローバルリーダーズクラス、NSとはN.スタンダードクラス
とのことです。くわしくは同校サイトを参照のこと。
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2017-03-23 Thu
そろそろ大きく広げた流れをまとめていきたいところなのですが、ここまでの話をくくるなら、(高校募集を行う中高一貫校が)
中学募集での学校改革、つまり中学新設や共学化を行うときに
まず重要なのは一貫生ではない高入生の動き、
ということになります。
仮に中高同時に共学化したとしても、その時点から2回は、
男子校・女子校時代の卒業生が続きます。
ここで急に進路実績を上昇させることは困難です。
最速でも3~5年後の実績上昇を見据えて活気ある高校募集を
目指すということになります。
ひいてはそれが中学募集で注目を集めることにつながります。
そこはかなり戦略的にやらなければいけません。
総合的な学校スタッフの力量の問題も出てきます。
3~5年後に進路実績を動かすほど、中学募集にも
よい影響が出ることでしょう。
こういった構造を裏側から考えた場合、受験する側は
進路実績に何の兆候も表れていない時点で、
先物買いすることはリスクのほうが大きいということになります。
学校の示す進路実績の伸長プランをそのまま信じて
投資することになるからです。
もちろん学校が説明会その他でプランの信ぴょう性を
アピールするのは当然です。
でもそれはまだ結果になっていない机上の数字なのです。
確かに結果が出てからでは入り口の偏差値は上がってしまっている
ことでしょう。
だからといって「いまお買い得」が真実かどうかは、
あとにならないとわかりません。
ようやく話が当初の場面に収束します。
共学校の受験者数が伸びている、公立中高一貫校志望者が
私立併願校を探している、その状況が
中学受験の一部を少しずつ変質させている…と結びたいと
思っています。
ところで、「偏差値を上げる工夫」について当てはまるのは
高校受験だけについてではありません。
というわけで将来の進路実績上昇(=募集の活性化)を
睨んで組まれた巧妙な戦略についても
少しずつ考えていこうと思います。
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2017-03-22 Wed
数年前のある学校のことを思い返しています。ほんとうにいま思えば、なのですが、
当時すでに戦略的に中長期を見通していたとすると、
その学校の力量(経営手腕?)にうなるしかありません。
ここで具体的な校名は出せませんが、
偏差値をめぐってこんなことがありました。
自分が直接担当していない、高校受験のガイドブックだったのですが、
あるときその学校の校長先生にこう言われました。
「高い偏差値にしてくれて感謝します」
というのです。
ちょうどその学校が入試改革をした直後のことでした。
もちろん、偏差値は編集部で勝手に決めたわけでなく、
会場テストの主催者に資料提供してもらい掲載しているのですが、
とにかく感謝されました。
まさか業界人で実情を理解していないはずがない、と
そのときは不思議に思いました。
実際問題、都立トップレベル校の志望者がどの私立を併願しよう、
と考えてガイドブックをめくったときに、その数値を見て、
確かに「あ!ここ!」となるわけです。
中学受験生以上に高校受験生はそれまでの経緯よりも
点と点で判断する傾向が強いですから、設定された複数のタイプの
入試の中でもっともプレミアムなコース(クラス)の偏差値が
絞り込まれて掲載されるインパクトは学校にとって賞賛に
値するものだったのかもしれません。
当時の自分はその高校受験のガイドブックを
そこまで突き詰めて考えることがなく、
誌面には限りがあり、
偏差値を何種類も掲載できないから、いちばん高いやつを
載っけておいても大勢に影響なし、ぐらいの熱意だったのかもしれません。
さてここで、立場を変えて見てみると、こうなります。
学校改革を機に
・中高一貫校として飛躍したい
・いきなり中学募集で上位生を集めるのは無理
・高校募集で3年で結果を出すことで、中学募集に波及効果を得たい
・まずは高入生を強化して6年後、9年後をにらむ
その第一歩、第二歩として、高校募集のある私立進学校として
大手出版社発行のガイドブックの評価されることは有意義…
だったと思うのです。
ほんとうに中高一貫に力を入れるのであれば、なぜ高校募集を
継続するのか?
“現状はそのほうが効果的だから”
に他なりません。
この学校の例だけでなく、共学化した学校をそれぞれ
見ていくとまず「高校募集はどうするの?」という問題に突き当たります。
中高同時に共学化するケース、中学共学化の3年後に高校も共学化する
ケースそれぞれあります。
中高同時に共学化しつつ、高入生が先んじて実績を残せた学校は
その3年後、さらに倍近い実績がやってくるのです。
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