2017-04-26 Wed
志望校合格率100%じゃなくて、合格数÷受験数の値が高い塾がすごい塾でしょう。
そんなほんとうの数字はどこにもありません。
そんな数字が世の中に流れたら塾は商売ができません。
よけいに「受かりそうな学校しか受けさせない」
みたいな話になってしまいます。
もしくは「どこを受けても受験生の自由。そのかわり
責任は持てない」となってしまいます。
すべての受験生が「開成に受かりたい、桜蔭に受かりたい」
なんて夢のまた夢。
高嶺の花の最難関校だけを見るのではなく、頑張って手が届く
範囲で率を上げていく、そこが塾長(教室長)の腕の見せどころ。
全勝は不要なんです。
もし仮に第一志望が高嶺の花だったとしても、
次善の学校を受験生がちゃんとチョイスできるように
さりげなく塾が仕向けていく。
そのための保護者とのコミュニケーションを欠かさない。
決して塾が薦めてくれたから志望校に…ではなく
納得づくで受験態勢に入る。
それらが兼ね備わってデキル塾ということです。
経営の側から見れば、全教室に人的資源を投入するわけには
いきません。選択と集中が必要になってきます。
そこのところは受検生としても大人の事情をふまえて
自己責任というわけです。
いまさら蒸し返すなら、受験情報誌の誌上で
ある難関中の併願パターンを例示するとなったときに、
「もしアルバイトの講師だったとしても、ちゃんと
受験生を導けるように」データをまとめてほしいと
言われたわけです。
いくら選択と集中でもそれは無理筋。
そういう意味では塾における学校選択力・進路指導力には
限界があって、だからこその塾ごとの傾向、情報提供と
なって当然です。
その上でやはりトップ100進学校+有名大学付属で
平均合格数が2.0は欲しいわけです。
そして1月入試や午後入試だけでこのラインをクリアしても
胸を張れません。
編集部を離れて中小塾にくまなく合格データの提供を
依頼することはなくなってしまい、最新データでは
ありませんが、
在籍者数100名未満の塾で、平均合格校数が2.5を超える塾が
いくつかありました。こういった塾は規模が小さいからこそ、
個別対応ができているとも言えます。
でもその数は決して多くありません。
そしてさらに重要なことがもうひとつ。
中学受験で万が一不首尾でも高校受験までアフターフォローする
塾ほどこの平均合格数は伸び悩んでいるように見えました。
中学受験には対応するが、高校受験がメインという塾も多いのが
現状ですから。
そして個別指導専門塾も難関中合格実績を公開している塾は
あまり見かけません。あくまで大手塾の駆け込み寺的な
位置づけだからかもしれません。
そういう意味で(特に首都圏の)中学受験は特殊です。
なぜ中学受験をするのか
その大局を見失い、せっかくの時間と努力を
無駄にしてしまわないためにも、
保護者には段階を踏んだ「覚悟」が必要だと思います。
というわけで、各校の受験者数の増減の背景に大手塾の意向が
反映している的な話題の流れも今回でひとまず
終了します。
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2017-04-25 Tue
全滅は避けたいとしても、合格しても進学する意思がない場合は悩ましいところです。
東京・神奈川生が千葉・埼玉などの1月入試を受ける場合は、
腕試し、場慣れ的な構えかもしれませんが、2月3日以降の後半日程になると
志望順位がどうのこうのは言ってられなくなります。
1校合格することでリズムがよくなる場合もありますが、必ずそうなるとも
言い切れません。
さて、とりあえず1校押さえる、と言ってもピックアップしているのは中堅以上の
進学校がほとんどですが、合格者の多い学校、600名以上の学校の中から、
トップ3塾の占有率を調べてみました。

青=サピックス、赤=早稲田アカデミー、緑=日能研
宝仙学園は積み上げが低いですが前にも書いたように都立中志望の併願校で
enaの占有率が33.8%とトップ、2位は栄光ゼミナールで15.3%。
日能研の「押さえ」が手堅い気がしますがどうでしょうか。
この中で占有率が40%を超えているのは
浦和明の星、渋谷幕張→サピックス
開智、大宮開成、淑徳与野→日能研
のようです。
5校中4校が埼玉校、残り1校は千葉ですね。
それにしても栄東は3塾で4000名の合格者とは
桁外れ。それでも総数の7割弱とは驚きです。
もし占有率を募集定員を基準に語ると
とんでもないことですよね。
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2017-04-24 Mon
話はいったんその流れからこの話題へ。とてもわかりやすい展開ではないかと思います。
明日の予告編ではないのですが、
こんなデータ。合格者数の多い学校。

募集定員はきょうは割愛しますが、なぜこれだけ多くの合格者を
発表するかわかりますよね。
合格者の多い中学で合格者を確保しておく…
そして志望校合格率は100%…
そうです。誰も第一志望合格率100%とは言っていません。
でも実際には大手塾は志望校合格率100%!ではないのです。
塾として避けたいのは全滅、受験校全不合格。
だからといって保護者と受験生が進学したくない学校に
合格させても始まりません。
実際には第二志望以上合格率90%なら極めて優秀な塾でしょう。
とはいえここにもロジックがあります。
塾のお薦め校を上位志望校化させることで達成率が上昇します。
かくして志望校→受験校決定に塾側は多大な影響力を持つという
ことがわかります。
塾のお薦め校もひとつの情報ととらえるか、不合格を極端に恐れるか
そこが分岐点かもしれません。
首都圏の中学受験生は平均して6~7校受験すると言いますが、
これはあくまで出願ベースのことで、実受験校数ではありません。
では、平均的な合格校数は何校でしょうか。
非常に優秀な塾でも2~3校だと思われます。
大手塾では2校を割るケースもあるようです。
今回塾別合格者数集計に際して140校あまりの進学校・付属校で
調べましたが、サピックスは2.4校という数字でした。
かなり高い数字です。
各塾の「志望合格率」の中身こそが重要だったりするのです。
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2017-04-23 Sun
ここまでの話、やっぱり難関中ならサピックスかあ、大学付属は早稲田アカデミーが強いわけだ、神奈川なら
まず日能研…そういった短絡的な話をしたいのではありません。
とりあえず最終的にどの学校を受けようか、
決まっていないので確率の高い塾を選ぼう、という
話でもありません。
実は教室によってもパフォーマンスに差はありますから、
その大手塾の通いやすい近くの教室でベストな選択かというと
これはもう運不運です。
ただ、こうして塾同士で受験生争奪戦が行われている以上、
ターミナルにある重点教室には優秀な講師が集まるのは
自明の理です。
逆転の発想でそういった競争の激しい場所はわが子に向かない、
と考えるケースもあるかもしれませんが、そもそも
中学受験そのものがそういったシビアな環境ですから、
わざわざ合格率の低い教室を選択する道理はないと思います。
きょうは第一志望比率の少ない学校、つまり
入試回数が多いとか、午後入試に力を入れているとか
そういう特色のある学校をピックアップしています。

青=サピックス、赤=早稲田アカデミー、緑=日能研
ご覧の通り、総受験者数が多い学校(都内)を選びましたが
合格者占有率は実にバラバラです。
宝仙学園は都立中志望者が併願している兼ね合いで
enaの占有率が33.8%とトップです。2位は栄光ゼミナールで15.3%。
つまり第一志望以外でどこで合格を押さえるか、
午後入試の受験校はどこがおすすめか、
こう考えるとそれぞれの塾の色が見えるような気がします。
これを反対側、学校の側から考えた場合、
どうすれば高い偏差値をキープできるかを考えると…
そこにも募集戦略が少なからず存在すると見ます。
午後入試の成功のためには
とにかく大手塾から多くの受験生を送り込んでもらうに
こしたことはありません。
進路実績の推移とこうしたトップ塾の占有率を
並べてみて、感じるものがあります。
学校が塾の味方か、塾が学校の味方か。
いやお互い持ちつ持たれつですね。
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2017-04-22 Sat
PART5の今回は日能研の占有率が高い学校です。とりあえず進学校上位+人気付属校で占有率1位は以下の通り。
まずは占有率グラフ。

青=サピックス、赤=早稲田アカデミー、緑=日能研
今回は3塾のみの比較ですから、積み上げの合計が
少ない学校は3塾以外の合格者も多いということになります。
続いて一覧表。

★は神奈川の学校、★は女子校
リストの中には17校あり、
このうち女子校が13校、神奈川の学校が8校です。
「日能研が占有率1位」という事実のみを
重く受け止める必要はないと思うのですが、
サピックス+早稲田アカデミーが
どれだけ連動しているか、を見ていくと、
一定の傾向、塾勢力図の現況が
一目瞭然のような気がします。
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